2024年、日本の出生数は68万6061人。合計特殊出生率は1.15。
どちらも過去最低の水準です。
でも、少子化は“人々の努力不足”ではありません。
出産・育児を望んでも、社会の仕組みや空気が「もう産めない」と感じさせてしまう。
それが今の日本です。
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“もう一人ほしい”のに、踏み切れない理由
> 「教育費を考えると一人が限界」
「物価や住宅ローンも不安」
「子どもを持つのは、富裕層だけの楽しみに見える」
物理的・精神的・経済的な「余裕」がない。
子どもはもちろん可愛い。
でも、**「次は無理」**という声が、親になる人たちのリアルです。
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制度はある。でも、使えない。
育休制度や時短勤務、保育支援など、制度自体は世界的に見ても整っています。
でも現実には…
保育や学童でのリアルな課題は→こちらの記事で詳しく書いています。
> 「育休取ると現場が回らない」
「復帰しても居場所がなくて辞める人もいる」
「人手が足りないから、制度があっても使えない」
という声がとても多いのが実情です。
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実際に起きている「制度の限界」
規模の大きな企業でさえ、現場の人員はギリギリ。
「誰かが抜ける=現場が回らなくなる」状況になっていて、
制度は“あるだけ”で、実際には使わせてもらえない空気がある。
代わりの人員を確保できない
教える余裕もない
結局「制度を使う=迷惑をかける」という罪悪感が残る
制度があっても、それを安心して使えないなら意味がないのです。
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海外に学ぶ:「ハンガリーの奇跡」
ハンガリーは、思い切った支援で出生率1.59(2010年:1.25)まで上昇。
4人出産した女性は所得税が生涯ゼロ
妊娠91日目から給付金
若年夫婦の学費無償化、住宅助成もあり
婚姻数も10年で約2倍に
子育てを“自己責任”にせず、“国が育てる社会”へ。
その転換が成果を生みました。
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日本はどのくらい低いのか?
国名 出生率(TFR) 特徴
日本 1.15 物価高・教育費高・人手不足・育休制度の空気的制約
フランス 約1.8 育児支援が充実、現金給付と保育制度が両立
スウェーデン 約1.7 男女平等・男性の育児参加が一般的
ハンガリー 約1.6 出産数で税制優遇、住宅支援など手厚い施策
イスラエル 約2.9 宗教・文化的に多子志向、国家の育児支援も強力
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今のままじゃ、悪循環
1. 子どもを持ちたいけど産めない
2. → 出生数が減る
3. → 労働力も減り、高齢化が進む
4. → 税収減&社会保障費増
5. → 子育て支援の財源も厳しくなる
6. → さらに産めない
完全な負のスパイラルです。
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解決するには?
制度が“あるだけ”じゃダメ。使えて、支え合える仕組みが必要。
育休を「取って当たり前」にする企業文化
代替要員を国が助成する制度
保育園・学童の充実と、教育費の軽減
働き方の柔軟化と“時間に余白”のある社会
育児を「母親だけの責任」にしない構造
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「産みたいと思ったときに、産める社会」を目指して
少子化は、個人のわがままでも、贅沢でもない。
誰もが「人生の一つの選択肢として、家庭を持つこと」を安心して選べるかどうかの問題です。
今の社会構造では、その選択すらできない人が増えています。
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> よく「制度はあるんだから使えばいいじゃん」って言われるけれど、現場では人手が足りず、制度を使う余裕なんてない。
周囲に気を遣って、遠慮して、無理して、それでやっと回ってる。
そんな現場で、「もう一人産もう」なんて考えられるはずがない。
制度も仕組みも、“活きて”いなければ意味がない。
「働くこと」も、「子育てすること」も、どちらも叶えられる社会へ。
その意志と仕組みが、未来を変えていく鍵になるのだと思います。
