2025-12-01から1ヶ月間の記事一覧
—「走力向上」と「数値の停滞」を分かつ、測定の哲学— インターバル走のタイムが伸びている。脚は軽く、呼吸は整い、フォームも崩れない。練習ログは雄弁に「成長」を告げる。ところが、GarminのVO2Max(最大酸素摂取量)は動かない。レース予測タイムも渋い…
マラソンを走る者は、いつか必ず「タイム」という呪文から解き放たれる日を迎える。サブスリー、自己ベスト、VDOT、閾値ペース――それらは確かに甘美だが、同時に、視野を狭める麻薬でもある。本当の意味で長く走り続ける者は、数字の向こう側に、もっと静か…
腹圧(IAP: intra-abdominal pressure)という言葉が、いつからこんなにも“宗教論争”めいてしまったのだろう。「お腹はへこませろ」派と、「いや、ふくらませろ」派。とりわけロードバイクの文脈では後者が正統のように語られがちで、結果として多くの人が、…
――3週間走れなかったあと、ペーサーと一緒に確かめた“戻り具合”の話 走る理由は、いつも「速くなるため」だけじゃない。ときどき私たちは、走ることで“いまの自分がどこにいるか”を知りたくなる。 年末に出たのは、GREEN PARK MARATHON 2025 in KANAGAWA(川…
走ることは、加速の技術であると同時に、減速の技術でもあります。筋肉や心肺に「刺激」を与えるのはトレーニングですが、身体がその刺激を“能力”へと翻訳するのは、皮肉にも「走っていない時間」です。 日本の美意識には「間(ま)」という言葉があります。…
導入:サブ3は「上位数%」の難関 フルマラソン3時間切り(サブ3)は、市民ランナーの中でも明確に“別枠”です。『全日本マラソンランキング』分析では、2023年度のサブスリー達成者数は1万1525人、サブスリー率は3.6%と紹介されています。僕自身、PB3:22(1…
はじめに:「フルマラソン完走」は栄養戦略で決まる フルマラソンで40km地点の壁というが、実はその手前の25〜30km地点で、多くのランナーが「不可解な腹痛」「吐き気」「便意」に襲われて失速している。 これは単なる「疲れ」ではない。最新の栄養学研究に…
インターバルの日。前後のジョグは軽い、呼吸もラク、スタミナはある。なのに、肝心のインターバルだけ遅い。「頑張ってるのに上がらない」じゃない。もっと厄介で、でも原因がわかると一気に戻せるタイプです。 結論から言うと、これはだいたい—— “エンジン…
「野菜多め・糖質控えめ」でマラソンが遅くなる理由 ※最初に言っておく:これは「野菜は悪」「ジャンク最高」って話じゃない。“マラソンの体”にとって、何がパフォーマンスを作るかの話です。 ある日、健康的になったら走れなくなった 野菜増やした。たんぱ…
はじめに:「感覚」から「数値」へ 過去25年、コンサルタントとして複雑なビジネスデータと向き合ってきた経験がある。M&A案件では数百億円の意思決定が、曖昧な「感覚」ではなく「数値的根拠」に基づいていた。 ところがランニングの世界では、その真逆だ。…
マラソン後、「脚が重い」「筋肉痛が抜けない」は分かりやすい疲労です。ところが、筋肉はそこまで痛くないのに、体が動かない/気持ちが乗らない/ペース感覚が戻らないという状態に心当たりはないでしょうか。それは、いわゆる“脚”ではなく、神経系(脳・…
風邪をひいて3週間ランを休み、ようやく1週間走れるところまで戻ってきた。走っている感覚としては「そこまで悪くない」。むしろ“普通に練習できている”手応えすらある。 なのに――GarminのVO2Max(推定値)や関連指標が、風邪の最中よりも再開後のほうが下が…
マラソンの練習メニューは数あれど、「今の自分がどこまで行けるのか」をこれほど分かりやすく教えてくれる練習は多くありません。その中で、私が特に信頼しているのが1kmインターバルです。 1kmを何分で走れるかが、目標タイムを教えてくれる 1kmインターバ…
マラソン練習において「Zone2(有酸素ゾーン)」でのジョグやロング走は、持久力の土台を作るうえで欠かせません。一方で、レースペース走やテンポ走など、強度の高い練習では走り方の感覚も大きく変わります。 そこでよく出てくる疑問が「Zone2で走るとき、…
〜Zone2中心トレーニングとGarmin指標の“ズレ”をどう考えるか〜 Garminを使ってマラソンやトライアスロンのトレーニングを管理していると、多くの人が一度はこんな疑問を持ちます。 Zone2でしっかり練習しているのに 「低強度有酸素が不足」と表示される 負…
〜運動負荷スコアとZone2トレーニングの正しい関係〜 Garminでトレーニングを管理していると、Zone2でしっかり時間をかけて練習したはずなのに、 運動負荷がほとんど増えない 急性トレーニング負荷に反映されない 「有酸素効果 1.5」など低い評価になる と感…
〜「やればやるほど回復する」は本当か、回復の優先順位を考える〜 マラソンやトライアスロンの練習で疲労が溜まってくると、「マッサージを受けたい」「脚をほぐしたい」と感じる人は少なくありません。 実際、レース前後や強化期にマッサージを頻繁に受け…
〜低強度トレーニングにどれだけ時間を使うべきか〜 マラソンやロードバイクのトレーニングをしていると、必ず出てくるテーマが「Zone1–2の低強度練習は回復になるのか?」「できるだけ多くの時間をZone1–2に使うべきなのか?」という疑問です。 SNSや書籍で…
マラソン・ロードバイクではどちらが正解なのか? ランナーやロードバイク愛好家の間で、しばしば議論になるテーマがあります。 「Zone2を8割+Zone4-5を2割」という“ポラライズド(Polarized)型”の練習vsZone3中心で練習時間の多くを中強度にする“ミドル強…
そもそもEペースなのか? 「レースペース+〇秒」で定義できるのか? マラソンペース+2分以上でもZone2に入るけれど、それでいいのか? マラソンやロードバイクのトレーニングで「Zone2」が重要と言われる一方で、**「じゃあ実際どのペースで走ればZone2に…
Zone2で1時間(負荷68) vs Zone3で30分(負荷100) どちらがより効果的なのか? マラソンやロードバイクのトレーニングを続けていると、必ずといっていいほど議論になるテーマがあります。 **「Zone2でじっくり1時間」**と「Zone3で短時間ガツンと30分」結…
― マラソンランナーのための「東洋医学 × 回復戦略」 ― 風邪は発症してから治りきるまで、実は 3つのフェーズ に分かれます。 初期(悪寒・寒気・喉の違和感) 極期(発熱・咳・喉の痛み・倦怠感) 回復期(熱が下がり、動けるが何となく重い) ← 今日のテー…
― マラソンランナーが知るべき「免疫 × 自律神経 × 筋緊張」の関係 ― マラソンランナーにとって風邪は単なる体調不良ではありません。「走れない」「回復が遅い」という悩み以上に、謎の筋肉の張り・こわばりが出ることが多いのです。 実はこれ、医学的にも…
― 東洋医学の視点で考える“初動対応” ― 風邪の引き始めは「悪化させるか・その場で止めるか」の分岐点です。東洋医学では、風邪は「外邪(がいじゃ)」が体表部に侵入して起こると考えられ、特に風寒(ふうかん)と風熱(ふうねつ)の2つのタイプに分けて対…
ランナーにとって風邪はただの体調不良ではありません。トレーニング計画が狂う、レースに影響する、慢性化して長引く…と、無視できない一大イベントです。この記事では、ランナー目線での風邪の引き始めの対処法を、医学的知見もふまえながら整理します。 ■…