138/200

京都の街中とは思えないほどの静けさに包まれた、
富小路通にひっそりと佇む「京・富小路 天ぷら吉川」。
R0007497


大正初期に建てられた数寄屋造りの建物をそのままに、1952年に片泊まりの宿として創業した老舗では、
今もなお当時の風情とともに、丁寧に仕立てられた天ぷらを提供しています。
R0007494



R0007493


私が訪れたのは、茶室を改装したカウンター席。ここはたった8席だけの特別な空間。
R0007496


目の前で職人が油に向き合い、ひとつずつ丁寧に天ぷらを揚げていく姿は、まるで舞台のような美しさ。
R0007495


揚がるたびに油の香りがふわりと立ち上り、ぱちぱちと小気味よく響く音に、自然と期待が高まります
R0007497


まずは海老からスタート。
衣は薄く、口に入れた瞬間にサクッと心地よく割れ、その後プリッとした海老の甘みがじんわり広がります。
R0007498


ししとうは香り高く、ほろ苦さの中にじんわりとした旨み。
R0007500


フルーツトマト。衣の中で蒸された果肉がとろけて、
熱が引き出した甘酸っぱさがじゅわっと溢れ出す。
R0007502


京都の夏の風物詩の鱧。骨切りされた身はふんわり軽く、口の中でほろりとほどけます。
油の温度もハモに合わせて絶妙に調整されていて、清らかな味に仕上がっています。
R0007504



R0007505


ゆりねは、外はサクッと、中はふわっとホクホク。芋のように優しい甘み。
R0007507


噛んだ時のほくほく感がたまりません。
R0007506


万願寺唐辛子はししとうよりも肉厚で、舌に残る甘みが印象的。揚げることで本来の香りと旨みが凝縮して、じわっと広がる熱と甘味がなんとも心地よい。塩をほんのひとつまみだけで、無限に食べたくなる一品です。
R0007509


お酒は京都の地酒の飲み比べをいただきました。
R0007512



R0007514


甘くてほっくりとしたかぼちゃの魅力を最大限に引き出したひと皿。
繊細な衣の中で火が入った身は、香り高く、ねっとりとした甘さがじわじわと押し寄せる。
R0007516


肉厚でジューシーな椎茸。噛んだ瞬間に香りがふわっと広がって、椎茸の旨みがしみじみと滲んでいく
R0007519


ホタテの貝柱はレア仕上げで、とろりととろける食感。甘みが濃密で、噛むたびに質の良い旨みがふくらんでいきます。
R0007521


一口ごとに幸せを噛み締めるような、忘れられない美味しさ。
R0007520


噛むとシャキッと軽やかに水分が弾けるズッキーニ。
R0007524


みずみずしさそのままに、ほんのり甘みがあって、揚げることで引き立つ香りが心地よい。
油と素材のバランスに職人の腕を感じる一皿。
R0007525



R0007526


再びの海老でフィナーレ。最初に感じた感動が改めて身体に沁みるような、リピートの幸福。衣の薄さと海老の甘みが、最後まで一切ブレずにエレガント。堂々とした締めくくりでした。
R0007529


そして最後に選んだのは「天丼」。
R0007532


軽やかに揚がった天ぷらに、ほんのり甘辛く香ばしいタレが絡み、ごはんが止まらない美味しさ。
R0007533


〆にふさわしい満足感で、心もお腹も満たされました。
R0007535


R0007536


「また来たい」と心から思える店。食べ物の美味しさだけでなく、空間と体験そのものが記憶に残りました。京都を訪れるなら、ぜひ旅のスケジュールに。


ごちそうさまでした!


京・富小路 天ぷら吉川天ぷら / 京都市役所前駅烏丸御池駅三条駅
昼総合点★★★☆☆ 3.8