「一日に何度も歯を磨き、舌も丁寧に磨いているのに口臭が気になる」
そんな相談をよく受けます。
しかし、歯磨きや舌磨きは回数を重ねればよいというものではありません。
むしろ、やり方や頻度によっては口臭を誘発してしまうことがあるのです。

舌磨きが引き起こす“逆効果”
舌を磨くと、一時的に口の中がすっきりし、においが減ったように感じるでしょう。
けれども、その効果はあくまで一時的です。
舌を日常的に磨き続けると、舌の表面粘膜が傷つきやすくなり、
次第に乾燥や過敏を引き起こします。
その結果、唾液の質も低下していきます。
唾液中には、舌磨きによって剥がれ落ちた細胞や炎症による浮遊物が混ざり、
白く濁ったり、沈殿したりすることがあります。
このような唾液は独特のにおいを持ち、
ときには「モアー」とした糞便臭を感じることさえあります。
「清潔」よりも「健康な舌」を
こうなると、いくら舌を磨いてもすぐに不快感が戻り、
「磨かなければ落ち着かない」という習慣ができてしまいます。
けれど、舌を磨くことが習慣になると、口臭も習慣になるのです。
もし舌磨きで本当に口臭が治るのであれば、
人類はとっくにこの悩みから解放されていたはずです。
実際、口臭のない健康な子どもや大人は、舌を磨く習慣を持っていません。
正しい口臭治療の第一歩
もし「一時的なごまかし」ではなく、本気で口臭を治したいのであれば、
磨くことをやめ、舌本来の健全な状態を取り戻すことから始めましょう。
ほんだ歯科では、非病的な舌苔への対応を初期治療の最初の3週間で行い、
多くの方がその期間内に「磨かなくてもきれいな舌」を取り戻しています。
病的な舌苔の場合は、その原因となる全身疾患や生活習慣の見直しが必要です。
一方で、介護を受けている高齢者や重篤な疾患を抱える方など、
自力で舌の機能を維持できない場合には、
介助者による適切な清掃が必要なケースもあります。
まとめ
舌磨きは、口臭ケアの「万能薬」ではありません。
むしろ、舌の健康を損なうことで口臭を生み出す原因にもなりえます。
大切なのは、「清潔さ」よりも「健全な口腔生理」を取り戻すこと。
毎日のケアを見直すことが、口臭改善への最短の道です。