だいたい、どこのホームセンター、電気屋に行っても日本製家電なんていうものは置いていない。親しみのある松下や三洋なんていうはもう日本でも存在ないらしいが。今アメリカにある白物家電は韓国ブランドの目白押しである。「LG」、「サムソン」。中国ブランドであれば「ハイアール」そんな感じだろうか。アメリカのブランドであれば日本では知られていないが、「ウィルプール」このブランドは日本のコインランドリーに多いだろう。「メイタン」これも古いメーカーだろう。アメリカのコインランドリーはこのメイタンが多い。もちろんエジソンが創った「ジェネラルエレクトロニック・GE」。そしてマイナーであれば、「アマナ」、「フリッジデール」やホームデポ自社ブランドの「ホットポイント」だろうか。
実際、売り場に行けば7割は韓国ブランドが占めている。それもそのはず販売店へのマージンがいいからである。例えるなら、18万円の家電の卸値は5万円。販売店は一台売れば13万円の利益である。これがヨーロッパのボッシュなどのブランドを18万を売り15万円が卸値であればたったの3万円のマージン(利益)である。当然ホームセンターは韓国製を売るのに躍起になり、万が一のアフターケアはメーカーに問い合わせてね。俺たち知らねぇから、ということで売り逃げに近い。売り逃げに近いというのは、やはり韓国製は見かけは良いのだが、故障が多いからである。
話を元に戻すとする。この家に引っ越した当時は前の住人が置いて行ったフロントロードのフリッジデールがあったが、寿命を迎えたのを機に日本のコインランドリーで使っていたウィルプールの縦置き、要するに上開けの旧式に買い替えた。ここで語句の説明をしたいが、アメリカでは洗濯機はフロントロード、トップロードという言い方で日本語で言えばドラム式(フロント)、あるいは上開きの全自動式(トップ)の意味である。ロードとは道筋という意味でもある。ドラム式洗濯機の乾燥機能付きは残念ながらアメリカではまだ一般的でなく、販売はしているが初めから終了まで6時間ほどかかるらしい(店員の話)。私は仕事で大量のシーツを使うために、汚れ落ちがイマイチである前住人の古いフロントロードには閉口していた。しかしこの新しく買った下の画像であるトップロードのウィルプールは最新の韓国製を真似ていて、本来の攪拌棒がなく、それでいて水の量は少なく洗っても余計に他の衣類のホコリが付き、なんと挙句の果てには洗濯終了後でも衣類に全く水に濡れていない、洗われていない部分さえあるという敢えて言うなら設計ミスのある商品だった。
一応言わなければならないが、洗濯機のデザインに関わらず、どのアメリカの洗濯機にも日本のモノとは違い、昔ながらのすすぎながら水を外に流していく機能が無い!これはどのメーカーにも言えることだ。順をあえて言えば、洗剤を入れ、衣類を入れ、洗いが終われば、適当に水が入り10分ほどぐるぐる回し、汚水を流し、もう一回水を入れて10分ほどぐるぐる回し、汚水を捨て、回転脱水し終了である。さらにショートコースを選べば、洗いの後、一度回転脱水し、なんとその衣類の上に2分ほど上から水をちょろりとスプレーし濡らしたあと、最終回転脱水終了で通常すすぎが無い世界だ。どおりで今まで洗濯物の少ないからと言って、ショートコースを選んだ暁には、乾燥後になんだかどれも履き古しの靴下のような、異様な臭いがすることもあった。時にはおしっこを漏らして乾いた後のような臭いがし、自分も年を重ねたものだと感慨深くなることもあった次第である。しかしそれはすすぎが完全に行われなかった証拠であった。。下の画像のようにスクリューの回転は効率が悪く洗濯物が全て回らない。スイッチは多いが、色物と白物の洗い方の差が分からない。
上のウィルプールという老舗ブランドでさえ、こんなことがあるのかとガッカリし、それから私の怒涛の洗濯機ネット検索と商品レビューの日が夜な夜な永遠に続いた。女房は最新のものを買うべきと初めは言っていたが、どんな付加価値があっても結局汚れが落ちればそれでいいのである。最新のフロントロード式洗濯機は1800ドル、20万円はする。もっとシンプルな旧式モノであれば4万円ほどで十分だろう。それで15年はあれば元が取れる。ちなみにこのウィルプールは6万円ほどであった。白物家電というのは結局付加価値の違いだけであり、基本機能が成立していれば、オーブンも、レンジも、冷蔵庫もそれはそれでいいのだ。韓国の白物家電は異様にスイッチ類の付加価値が多く、それもその箇所が故障したために使えなくなることが多い。
アメリカのモーテルである簡易宿泊所に泊まっているとき、私は必ずと言っていいほど洗濯ルームに足を運び、メーカー名を見ることにしている。中でも古いものは30年以上のモノもあり、メイタン、アマナ、ホットポイントなどが占めている。要するにホテル使用なんていうのは壊れにくく汚れが落ちて、それでいて万が一壊れても修理は簡素であるのに尽きる、と言った類の洗濯機であろう。結局私は「アマナ」というドイツ移民が1世紀以上も前にアイオワ州で興したブランドを購入することにした。それも一番簡素なデザインで無駄のないものである。しかしこの会社も正確には現在ウィルプールの傘下である。アメリカの昔ながらの定番洗濯機はアジェテーターという攪拌棒が付いていて、この棒により洗濯物は洗っているときに順番に下から上えと流れ、まんべんなく槽の中で洗われる。
アマナは不満足なところも見つけられず、長年このデザインで来ているという頑固なまでの定番感がにじみ出ている、おまけにディープウォッシュ機能もある。これは洗濯槽目一杯まですすぎの水が溜まる機能であるが反って水は大量に使う。よって洗濯は週一回、下着は家族全員生地の薄いものを使うことにしている。服は毎日違うものに着替えないが、靴下は当然新しいものを履いている。また夜一日履いた靴下を脱ぐときにその靴下の上の部分で指の間を丹念に拭いてから洗濯かごに入れる。こうすることにより指の間のホコリは取れて、水虫防止も兼ねる、かも知れない。
アメリカ暮らしの注意点を付け加えれば。アメリカという国で買い物をする時、その種類の多さに驚くであろう。コーンフレークの多さ、炭酸飲料の多さ、クルマの種類、クルマの原産国の多さ。家電の多さ。チューインガムの種類の多さ。これらはアメリカ式資本主義を表しているともいえる。要するにこれだけ多くの選びが出来るなら、消費者は何か買うだろうということである。自分の好きな味が無いからガムを買わない。自分の好きな車が無いから今回は買わないという、買わない為の口実をなるべく作らないようにさせるのが、アメリカの消費文化である。
ではどうするべきか?
とにかく退屈過ぎるほどの定番を選ぶのが無難である。例えば車であれば日本車のトヨタ、ホンダ。洗濯機は攪拌棒付のトップロード。ジーンズはリーバイス。靴はクラークス。食器洗いのスポンジは黄色い3Mで洗剤は緑色のパルモリブ。テレビはソニー。冷蔵庫は2ドア式のフリッジデールでいいだろう。銃はコルトなどだ。これは人を選ぶ時にも多少言えていることである。退屈過ぎるほどの定番でいいのだ。家柄や年収、会社など派手さを求めては痛い目に遇うかも知れない。