アメリカ合衆国に渡り住む理由も人それぞれ色々あるだろう。
単身で来るにしても家族でもアメリカに始めに来て揃えなくてはならないモノは日本から持ってくる品々よりも重要である、なぜなら日本から持ってくるようなものは日系のスーパーの通販や紀伊国屋書店、アメリカのアマゾンあるいはイーベイなどネット通販で今の時代おおよそのモノはアメリカでも苦労せずに手に入るだろうから。
ではこのアメリカという国で本当に要るものは何だろうか。
私はここへ来たとき、古びたローラー付き布製トランク一つを引きずりながらリモワのアタッシュケースを片手にという、まるで数週間の滞在のような手ぶらに近い状態で渡ってきた、アメリカは日本と同じように先進国であるためほとんど私が必要とするものは手に入るだろうと思っていたがそれは的中し、服ですら身長がほとんど同じである女房のものをしばらく着ていた、持参した他の自分の服といえば下着以外にスーツ1着と黒の皮ジャンのみであったがそれでも極寒期になれば耐え切れず女房のスノボ用ジャンパーに『しまむらの1000円ジーンズ』の下はへインズの防寒下着というような具合でコロラドの冬を凌いだ、結局残りの必要な荷物は数ヵ月後に中医学の教科書など仕事に関係するものだけ1箱を日本から郵送し今に至っている。
話しを進めたいが一番必要なものから挙げていきたい。
0. 自動車免許証
あえて順番を決めないでもこれは必要最低限であり、免許があれば外国人として毎日パスポートを持ち歩く必要もないだろう。
これは言わずと知れたものだが、アメリカでは免許証は自分のID(身分証明)を意味するものであり、例え車をすぐ手に入れる予定がなくとも免許証は必ず入手しておかなくてはならない、これは免許を持てる年齢であれば絶対である。ちなみにアメリカではボートなどを車に繋げて引っ張る場合のけん引免許や50ccのバイク免許も不要である。
日本で運転経験も無ければ免許すら持っていなくともアメリカでは要るだろう、またアメリカで晴れて免許を取得し3年以上の米国運転経験があるのならば日本に帰国しても書き換えができ安易に日本の免許が取得できる(都道府県公安にによるかもしれないが)。
とりあえず、渡米前にネットで自分の行く州の運転免許の教則冊子(ドライバーズマニュアル・ハンドブック)などを以下から検索・ダウンロードし頭に入れて覚えておくべきだろう。
下線の箇所に自分の住む予定の州を英語でタイプしコピペ検索すれば良い。標識などのページがあれば学科テストで使うルールブックでほぼ間違いない、気合で交通ルールを覚えるべし。
___________ driver handbook pdf
1. 少なくても2つ多くても2つのアメリカの銀行口座
住所が記された運転免許証さえあればアメリカで銀行口座を作ることは難しくなく逆に銀行は顧客を増やすために躍起であり新規口座でアマゾンキンドルやスマートフォンを無料進呈したりしている。
2つというのは第一に今自分が住んでいる州の地元の銀行(地方銀行)と第二にアメリカ全土に渡りどの州にでもあるようないわゆる大手都市銀行の2種類のことである。
地元の銀行はカードで現金を引き出す際に手数料が掛からないのが便利である、しかし本当に日頃の自分の行動範囲にその銀行やATMなどがあることが大切だろう。
都市銀行は州外に出かけた際に他の人からチェック(銀行小切手)などを自分名義で受け取った時、大手の銀行に自分の口座があればその銀行を街中で探し出し、すぐに現金化できることが良い点である、またチェックが何らかの不具合で現金化できなければすぐにクレームするべきだろう、ということはインターネットバンクは多少の不自由さが残るというわけだ、しかし最近ではチェックを写メールし現金化する手段もあるようだが。
またアメリカのほとんどの銀行カードは自分の好きな暗証番号を作ることができず、いわゆる4桁のPINコードはカードを作った際に別便の封筒で送られてくる仕組みである。
注意するのは資本主義アメリカでは大手の銀行でも避けなければならない銀行がいくつかあり例えば手数料が異常に高かったり、信じられないようなサービスの悪い銀行(ネット・窓口)などいくつも存在する、アメリカの銀行は通常年一回メンテナンス(口座管理)費として10-30ドルほど自動的に口座から徴収するのだが逆に利息は悪くない、考えてみれば消費者は損をしているのであるがアメリカ人はそれで納得しているのだろうか。
結局手数料やメンテナンス費を考えれば銀行口座は多く要らないのは容易に理解できるが、自分が興味のある銀行を事前にネットで調べておくべきだろう、あるいは逆にベストバンクはどこか?で検索するも良いかも知れない。
また銀行のキャッシュカードでもクレジット機能(ビザ・マスター等)が付いているものも多く、ガソリンスタンドでもスーパーでも銀行カードが使えて支払いの際はクレジットかデビッド(支払いと同時に即座に自分の銀行口座からひき下ろされる機能)かを選ぶことができるわけである、私は通常5ドル以下の買い物はPINコード(暗証番号)を押してデビッドを使うが、そうなればまた他に新しいクレジットカードを作る必要は無いので次の2.「クレジットカード」の項目は飛ばして頂きたい。
私の記憶では、日本にある銀行口座で唯一手数料なしで日本国内で発行した銀行カードでアメリカ現地でそのまま引き出しができる銀行は『新生銀行』のみであるが(他の諸外国は不明)、PLUSマークがATMについていればほぼ間違いなく引き出せる、しかし事前に日本で自分のカードが「海外引き出し用ON設定」になっているか銀行に確認するべきだろう。筆者はむかし為替相場が良い時に自分への褒美としてわずかな金を引き出し使うことが時にあったものだ。
そういえば私には結婚後女房の銀行口座を10行以上解約させた記憶もあり、彼女は年に数万円をメンテナンスフィーとして使っていた。
2. アメリカで発行されたクレジットカード
さて問題はクレジットカードである、日本や他の多くの国ではクレジットカードを使う時は大きな買い物をしたときや分割払いのときだろうが、極端な話アメリカでは1ドルのアイスでもクレジットカードで払える、しかしこの便利なカードは使い方によっては自らを陥れることになるので金銭感覚の長けていない人は使うことを制限するべきであると感じるが、一部の支払い(ネットでの航空券やホテルの予約)はやはりカードしか使えない。
アメリカで暮らし始めてから常日ごろカードを使うということに慣れるまでに一年はかかっただろうか、最初は拒否続けこのまま現金主義でも構わないと感じていたのだが、カードであれば後でどこで使ったかがネットの銀行口座ページで知ることができるもの便利に思った、また航空会社関連のクレジットカードであれば使うことによってマイレージが溜まり知らず知らずに大都市で高級ホテルに一泊などということも可能であり、実は私自身時々利用している。
とにかく私も初めのころは妻とは逆に現金主義であったのだがドル紙幣は小さいために無くしたり、ホームレスにたかられてもキャッシュは無いよ、ということで小銭だけ渡せば彼らも諦めてしまうケースがほとんどである。
残念ながら日本から持ってきたクレジットカードはガソリンスタンドやスーパーでは使えないと言ってもいいだろう、アメリカで発行し自分がカードを申請した時に記入した自分の住所の郵便番号の5桁の数字がカード内データに無いとほぼ使えないし、もしアメリカで引越しした際にまだ古い住所のカードデータであればその旧住所の郵便番号でしか機能しないのである。
よって、先に説明したとおりに既に銀行カードに付帯のクレジット機能にプラスしもう一つマイレージ機能でも付いたクレジットカードを持っていれば片方が使えない時のために、2つのカードがあれば心強い。
アメリカではクレジットカード信販会社が自分の銀行口座から引き下ろす際の記録を基にした点数制度があり、一度でも口座振替不履行になればいわゆる自分の「クレジットスコアー」が下がりこれが社会的信用度と連携し就職などにも影響するという超資本主義的世界と経済的な個人的人権の尊重皆無の世界があるがこの話はここでは割愛させて頂く。
私は普段地元の銀行のキャッシュカードとマイレージ機能の付いたクレジットカードの2種類のみ持ち歩き、財布というよりカードケースの中身は他にはグリーンカードと免許証・健保カードのみである、現金は20ドルまでしか持ち歩かないことに決めている。
3. クルマ
自家用車はニューヨークやボストンあるいはロスやシアトルなど大都会では要らないだろうと思うだろうが実はアメリカで1ヶ月間都会の真ん中で車なしで暮らすということは時として難しい。
人は週末になればどこかへ羽を伸ばしに行きたいものである、そんな時日本のようにバスや鉄道など定刻通りに来てどこへでも行けるような環境でないアメリカでは当然車で出かけるしかないし、都会に住んでいても大きなものをちょっとでも運んだりするときは車がなければ不便だ、州外へ行くことを考えていないのなら10年前の中古車でも構わないだろう、レンタカーを借りるという考えもあるが返すときはガソリン満タンにしたり乗る前のボディーの傷のチェックなど面倒なことも多い、何しろレンタカーショップまでどうやって行くかを考えなければならないのは極めて面倒である。
留学生でも車がなければ買い物袋も運べず自炊すらできないかもしれない、アメリカのスーパーで売られているものは包装が大きいものや容量が大きいものが多く日本のようにコンパクトな買い物ができないのである、私も自転車で買い物に行ったことがあるが自転車籠が一杯でバックパックも一杯で途方に暮れたことがある、早い話日本人の心でもある『米』が買えないのである。
また、異国にいるのならクルマでいろんなところに出かけ見聞を広めるべきだが、帰国するのが始からわかっているのならリースで十分だろう。
ニューヨークのマンハッタン島で暮らし自分はどこへも行かないと決めている人や、学校のキャンパス内の寮で暮らし飯は学食であったり、アパートやスーパーなどの生活圏と学校までがバスでつながっているならばそれも話は別である。
最後に、車を買うときは必ず保険をつけなくてはアメリカで万一事故を起こしたならば損害請求が天文学的な数字になり、一瞬で自分の人生が変わってしまうので気をつけて頂きたい。
4.その他
免許、銀行口座、クレジットカード、車があればアメリカの暮らしはまず不自由は無い、それだけで良いと言い切れる。
食べ物も不自由しないどころか種類も豊富すぎて肥満に気をつけなくてはならない、水道水も世界の多くの国ように一度煮沸する必要も無くガブガブ飲める、もしカルキが気になるのであれば水道水を一晩冷蔵庫で冷やせはほとんど臭いも気にならないし、中国やブラジルのように使ったトイレットペーパーをトイレに流せないということもない。
テレビは見なくともラジオで英語は学べるしPBSの公共放送を聴けばかなりの情報を得ることができる、例えばネットでpbs radio___________下線に自分の好きな州を入れ検索すれば広告なしの真面目な公共ラジオをいつでもネットで聴くことができるだろう。
服も比較的安く手に入れることができるだろう、住むところがあり食べることさえできれば生活自体は他の諸外国と比べても大半が移民で成り立っているアメリカは助け合いの精神が根底にありいたって快適だ、しかし助けを求めすぎて誰かにだまされてはならない。
どこかの国のように細かくお互いを突かない大陸気質のアメリカ人の中で暮らせば多の日本人はその快適さに慣れてしまい、しばらくすれば母国のことさえ時間とともに自然と忘れるかもしれない。
また、決して日本から自分の好きな本や音楽や服や身近にあったお気に入りの小物など持参すべきではないだろう、なぜならこの国に住み始めるとか自分の価値観も時とともに変化し、今まで好きだったものなどに興味が湧かなくなる、それよりも日本にいた時以上にアメリカで多くのことを吸収するべきだろう。
そして決して持ってきてはいけないものは日本にいた頃の自分流のモノの考えやスタンスである、アメリカに入国したのならば一度今までの自分をリセットし真新しい自分になるべきだろう。
自分の以前の価値観を捨てて、アメリカの空気を腹いっぱい吸いアメリカの水を飲み、アメリカ人との会話を楽しみ、アメリカで仕事(勉強)をして食事をして毎晩この国の中で自分に与えられた床に就くことができればこれ以上の贅沢は無いし、そんなシンプルな生き方でこの国で生きるには十分と感じる。アメリカで暮らすときの注意点として関係の無い他人のトラブルなど難しいことに頭を突っ込んだり、おかしなトラブルに巻き込まれないように娼婦やドラッグなどの安易なものに手を出さずアメリカの法律を守り常に自分の身辺整理をして、誰かの調子の良い話には手を出さないことが肝心だろう、そうすればどこかの国のように古い習慣もしきたりも男尊女卑も封建的な考えも和風も洋風も無いこの国はなんて自由で楽なんだろうと感じるかも知れない。
5.最後にどうしてアメリカにいるのかという目的
最後に言うとすれば、どうしてアメリカにいるのかという目的だろう。
一番アメリカ暮らしの点で馬鹿げたことは意味もなく住み続け、目的も無いのにも関わらず長年だらだら住み着いてしまうことではないだろうか、離婚してしまい子供も居ないのなら決心し母国に帰るべきかも知れない、アメリカでの仕事が終わってしばらく労働ビザが残っていても貯金だけ減っては意味が無い、ならば早めに帰国するべきだろう。留学も終われば親の仕送りに頼らず早く自活すべきだろう、自分の夢が叶わなかったのであれば無駄なアメリカでのアルバイトも止めて失敗を真摯に受け止め帰国し、人生再出発でも今までの経験は十分役立つただろうし誰も咎めないはずだ。
しかし帰国後日本はアメリカと比べてダメな国だ、などと変に優越感に浸りアメリカを誇張し自分をアメリカナイズするのは人間として小さな証拠だ、アメリカナイズは自分の体型だけにとどめておくべきだ。
異国で暇というのは時に魔が差し思わぬ状況を生み出してしまうもので極めて注意が要るだろうし、目的も無いのならば見切りをつけて自分の国に帰るべきだろう、このような状況で帰国しても後悔することはほぼあり得ないと言いたいものだ。
必要品
- 自動車免許証
- アメリカの銀行口座
- アメリカのクレジットカード
- 日本車
- 住む目的
不必要
- 日本にいたころの自分流の考え方、おかしなプライド「変なうぬぼれ」とでも言うべきか、アメリカは「ガチ」の国であるから自分を飾っていても生きていけないだろう。






