4月半ばにひいた風邪がなかなか治らず、結局家の近くの病院に行くことになった。今回は漢方薬も作らず自分を放って置いたのがダメだった、私は忙しかったのだ。
診察室に入りまるで昨年の新卒医学生のような若い医者はジーンズにシャツという今風のいでたちで現れ、私たちは風邪の経過や症状を話し合った。
結局胸の痛みと症状の長引き方や発熱の頻度などから、彼は『肺炎』という病名を決めた。私はその後ドラッグストアーで処方された気管支拡張剤と抗生物質それから咳止めシロップを受け取り、それらを旅行中服用し難を凌いだ。。。
実は医者に行った2日後からの一週間は親戚との家族旅行でフロリダからネズミのマークの入った大きな客船でメキシコのコズメルという島に向かった。
当然、私が肺炎ということは親戚中がすでに知っていて、誰一人私には近づこうとはせず遠くから元気か?というだけであった。こんなにも退屈な船の旅は今まで経験したこともなく、こんなにも客室に閉じこもり揺れる船内と壁にかかるディズニーの楽しそうな漫画絵を眺める旅はなんとも切ない限りだ。
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| 期待に胸を膨らませる子供とは対照的にベッドで永遠の眠りに入る、筆者 |
女房は気を使いオーダーサービスでフィッシュサンドなどを部屋へ注文してくれたが、子供は従兄弟と一緒にいろんなところで遊んでいるようで、私は少しでも熱が下げれば起き上がり、立ってベランダに行き潮風にあたるかカリブ海の透き通るような青い海を眺める。この文を読めばそれでも良いような雰囲気だが、病気の体で旅行することは本当に辛い酷な経験である。結局この旅は終わりを迎えたが、いま家に帰って思い出しても何も楽しい思い出がなかった。やはり中年オヤジが巨大なネズミのマークの入った世界的に子供に人気のある船で旅をしても気持ちは塞ぐばかりで、気の合う話し相手でも船上にいれば別だったがこんなに孤独な旅も今回限りにしたい。
しかし私と違い女房と子供は楽しんだようで家に帰っても二人で旅行の余韻に浸っていたようだが、私は自宅でもすぐに40度近くの高熱に犯され、自分で結核を疑い再度病院に行くことになる。
しかし前回の医者は不在で今日は女性の医師だった。しかし今日は受診前にレントゲンも撮り準備万端で、また症状から心臓にも問題があるかもしれないとのことで心電図も撮りいろいろ話し合ったのだが、結局は大きな問題なし。しかし辛かったのは確かだ。
それよりもレントゲンの結果から全く肺炎の形跡も兆候も見られないとのことである。
医者から出た言葉は本当に自分の耳を疑った、いままでの自分の旅行中の肺炎たる『演技』はなんだったのか? と自分で自分を問い詰める。できるならば始めから南米一人旅でもしたい気持ちである。
結局私の病は全く違う風邪から生じた肺の疾患(胸膜炎)であるらしいがそれも今では疑いのまなざしで、今自分で処方した漢方薬を煎じている。あすからステロイド剤を飲むように言われたがそんな安易に大量のステロイド剤を患者に渡していいものなのか?
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| 結局煎じ漢方薬がアメリカでも頼りだ |
事実アメリカのドクターは診察中ですら、これは何かと暗中模索している輩が多く(誤診するような医者は輩だ)まるで賭けでもしているかのように「こうではないか?」と思案し結局病名まで自分なりに決めてしまうことが多い。毎回そんなことが多く、それで私は医者には行かず自分の漢方で対処してしまうのである。
日本のように標準的な知識と経験を持ち合わせているドクターは意外と少なく私の職業がアメリカでも多少もてはやされるのも納得ができる。




