行列の長い洋食屋さん【小噺】
旅先で目的地に向かう途中、景色がいい駅があったので降りてみた。
降りてみたのは良いのだけれど、景色以外は特に何もなく。
そのまま目的もなくブラブラ歩いていると、いい匂いがしてきた。
匂いを辿ってみると、洋食屋だった。
驚くべきはその行列の長さだ。
「凄い行列だね」
「並ぶ?」
「もちろん」
この行列の長さからして、味は保証されていると言って良い。
いや、もしかしたら見た目がバズるタイプなのかも。
女性客ばかりだし。
「横入りはダメですよ!」
途中、男性客が列を無視して横入りしそうになったので、注意してやった。
男性客は、変なものを見る目でこっちを見た後、立ち去った。
べーっだ。もう来るな。
2時間ほど並んで、ようやく店の入口をくぐれた。
中にはまばらな客がテーブルに着いていた。
行列は、ほどなくその横を曲がり……?
いや、ちょっと待って。
まさかこれは……。
TO・I・RE!
何万光年も先の宇宙から【小噺】
何万光年も離れた星から、電波を受信することに成功した。
しかし、その中身がわからなかった。
長い年月がかかったが、星の住人の希望が後押しし、遂にその電波が解析された。
「みんなー、元気かな? 今日も、はっじまるよー」
子供向け番組とおぼしき内容だったが、他の星にも文明はあったのだ。
星の住人の興味は、この番組に釘付けだった。
と、そこにロケットが到着した。
随分古臭いロケットで、ワープ航法も使えないようなシロモノ。
その対策としてなのか、降りてきた乗組員はロボットだった。
敵か? 味方か?
星の住人は警戒の元、そのロボットの動向を見守っていた。
ロボットは言った。
「受信料の支払いをお願いします」
月からの招待状【小噺】
『かぐや姫からの招待状』が届いた。
「これは、人類に対する挑戦である!」
世界各国で、開発競争が始まった。
どこの国が最初に月へいくのか?
月の民は、月へと飛ぶのだ。
人類も負けるわけにはいかない。
はじめ人類は、愚かだった。
スプリングによるジャンプで、月へ行こうとしたのだ。
中には天才もいて、天才故に飛びすぎ、命を落とした。
やがて飛行機が作られた。
これはいける!
人々はそう期待したが、ある程度上空までしか飛べなかった。
空力では宇宙へ上がれないのだ。
しかし、そんなことで人類は諦めなかった。
宇宙服、ロケットと、トントン拍子に開発され、ようやく人類は月へとたどり着いたのだった。
月へ着いた時、人類は敗北を悟った。
「Oh, My God!」
かぐや姫は、すっかり老けていた。