だいさく NOSAI獣医日記

強みをみつけ、チャレンジを与えられる獣医でありたい

人財育成

黒毛和種における発情周期ステージ推測の難しさを痛感

今日、黒毛和種農家さんで繁殖検診を実施しました。 その中で1頭、発情周期のステージ診断の難しさを痛感し、改めて論文等書籍を含め調べなおし、留めておこうと思いました。 分娩後39日、フレッシュチェック、子宮回復は良、子宮内膜浮腫なし、筋層厚さあり…

乳検を活用した繁殖管理、の講義を担当させていただきました

「乳検を活用した繁殖管理」と題して、酪農家さん向けに講習会を担当させていただく機会を頂きました。時間は30分から1時間です。 地元の先生と内容について検討させていただいた結果、深い話ではなく、繁殖管理に関して、乳検を見てみようと、触ってみよう…

PGF2α投与後3日で授精と固定するのは危険の理由(症例から紹介)

「黄体があったらPGF2αを投与して、3日後に授精」、は日本でよく聞きます。また、「黄体と大きな卵胞があったら、その卵胞で発情が来て授精する」ということも良くみられる診療現場と推察します。 この場合、上手くいくこともありますが、もし実施する場…

標的型繁殖管理(TRM:Targeted reproduction management)

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 2025年11月と最新のドイツの論文ですが、日本(自分だけかもしれませんが・・・)の繁殖管理において、考え方が非常に共感する内容でした。 自動活動モニタリングシステム(センサー)を使用して発情を検出することに関して研究され…

カラードップラーでみた活動中の卵胞の血流

発情周期のステージを推測するために超音波検査を用いる場合、私は卵胞ウェーブ、黄体、子宮を観察しています。白黒のBモードでいつも実施しているのですが、今回カラードップラーを使った場合はどのような世界が見えるのか、ちょっと試してみました。 個人…

発情周期のステージ診断(排卵翌日、排卵10日目、排卵12日目)の実践例

発情周期のステージ診断(推測)として、3頭、超音波検査を実施しました。 全て別々の牛で申し訳ないですが、各ステージの主要な特徴を捉えていましたので、皆さんと共有したいと思い動画を撮ってみましたので、ご参考になれば幸いです。 それぞれの動画は以…

日本繁殖生物学会に参加してきました!

東京農業大学での第118回日本繁殖生物学会 東京農業大学で行われました第118回日本繁殖生物学会に今年も参加させていただきました。 繁殖、生殖業界で御活躍の研究者の方々における、研究の着眼点、何が今研究されているのか、具体的な研究方法、プレゼン方…

繁殖も個体診療がベース、「診断」が重要

熱がある ➔ 抗生物質 黄体がある ➔ PGF2α この二つは同じような考え方で、医療にとって大事なことが共に欠けていると私は思っています。 それは、診断です。 なぜ熱があるのか、熱があればどのような病気・状態が考えられるのか、熱以外の他の症状も考慮し、…

誰かに伝えていくのを前提に、勉強する

「インプットはアウトプットするためにある」 自分が何かを学ぶ、勉強する、経験する時は、 ただ自分のレベルアップのためにするのではなく、 そこで得た知識や技術を、必ず誰かに伝えていくのを前提に、学び勉強する意識を持って、経験していくことが、凄く…

排卵24時間以内に入ったときの卵胞波の超音波所見(今後の可能性を期待)

最近よく思うのですが、排卵するタイミングが「客観的に」今よりも正確に推測できれば、授精のタイミングもより適切になり、受胎性アップにつながるのではないかと思い色々模索しています。 今回、文献等を参考に自分でもちょっと調べてみました。 添付の動…

形成期黄体は、超音波ではやや黒く映る

排卵5日目の黄体 発情周期のステージを推測するにあたり、利用する所見の例として、卵胞ウェーブ、黄体、子宮があります。 今回は黄体の特徴を見てみたいと思います。 発情周期の前半である黄体形成期の黄体は、超音波でみると、周りよりも少し黒みのある組…

無茶苦茶面白かった「哲学と哲学学」の講習会

先輩獣医師から「哲学」の講習会があることを教えていただいて、これは面白そうだと思い、岩見沢に向かいました。岩見沢方面に電車で向かうのは初めてで、それも楽しみで、帰りは人が並んでいる饅頭屋が駅前にあったので5個買って帰るなどプチ旅行になりまし…

受精卵移植(ET)の受胎率向上作戦(文献紹介)

同期化された泌乳牛における、受精卵移植時の受胎率向上作戦として、興味深い文献(2023年)がありました。 高いP4(プロジェステロン)濃度下で卵胞が発育し、授精時は限りなく低いP4濃度で授精する、という流れが泌乳牛の人工授精(AI)での受胎性にと…

妊娠鑑定でマイナス時、PGF2αを投与したら発情はいつ来る?

妊娠診断(鑑定)で陰性だった場合、黄体があったらPGF2αを投与することは多いと思われます。 今回は、そのような場合に発情がどのくらいで現れるかについての文献がありましたので紹介します(1) 妊娠診断で陰性時に23mm以上の黄体がありPGF2αを投…

5日間と7日間の排卵同期化プログラムの違い

排卵同期化プログラムの中で、教科書的にも最も有名なのはオブシンクと思われます。しかしながら、オブシンクは受胎率を求る場合、使える発情ステージに制限(発情周期の6日から9日くらい:第1卵胞波で主席性卵胞が存在する時)があり、そのためなかなか利用…

博士号とはなんぞや?

最近、「博士号とはなんぞや」、という話を非常に分かりやすく教えていただきました。その先生が講義でご紹介くださいました、Matt Might先生のHPから引用して説明します。 始めます。 1. 人類の知識のすべてを含む円を想像してみてほしい 2. 小学校を卒業す…

PGF2αの投与を立ち止まる卵巣所見(動画で紹介)

発情が来ない牛に対して、PGF2αを投与することは多くの獣医師が行われていますが、注意しないといけないポイントがいくつかあると私は思っています。 今日はその点について私が日々思っていることを動画を交えながらお伝えしたいと思います。 その一つが…

担当の獣医師専門研修会(繁殖技術コース)が終了

私が担当しました4日間の獣医師専門研修会(繁殖技術コース)が今日終了しました。 なんと記念すべき第1回目で、年齢関係なく2年目から16年目の先生方(計9名)が全道各地から集まってくださり、本当に感謝の気持ちで一杯です。 だれも応募がなければどうし…

同期の存在(学会参加の目的)

先日、北海道地区日本産業動物獣医学会がありました。 やっぱり学会は楽しかったです。 ここからは会社に関係なく個人的は話しです。(会社からは出張なので怒られるかもしれませんが・・・) 学会に参加する目的は、 同期に会える いろんな人に会える 人脈…

「臨床獣医師と研究」についてのプレゼンテーション

「臨床獣医師と研究」というテーマでプレゼンをさせていただく機会がありました。その時に使用した資料は自由に利用しても良いと許可をいただいたので、ブログで紹介したいと思います。 何かに取り組みたいけど、何に取り組めばよいかわからない 仕事がマン…

100記事目!とりあえず続きました!

2021年12月1日にブログを始めて2年4か月、100記事に到達しました。 私の稚拙なブログをここまでお読みいただき、皆様のおかげでここまでたどり着くことができました。ありがとうございます。 単純計算、2年4か月、857日÷100記事=8.57日/1記事 約1週間に1回…

いつ、何を遺すか

最近、定年間近の先生と初対面にもかかわらず長くお話する機会をいただき、その先生の言葉が以前に私が感動した別の先生から頂いた言葉と似ている出来事がありました。 先生「50代になると、眼が見えにくくなる。だからやりたいこともやりにくくなった」とお…

初期獣医師へのコミュニケーションの頻度と時間

研修で学んだことと、私がコミュニケーション等について学びたいときにいつも教えていただいている方との対話で、初期獣医師への育成の基本について気づきがあったので3つ書き残しておこうと思います。 ① ペーシング ② リフレーミング ③ フィードバックと現…

「新入社員への仕事の教え方」のセミナーに参加

新人獣医師の育成(On The Job Training)は様々な組織で行われていますが、私もどのように行えばよいのか悩み中でありそれを勉強したくてセミナーに参加しました。 その中で勉強になったことをやや長文になってしまい申し訳ございませんが、自分も頭を整理…

稟告を聴取するためには?

稟告を聴取することは、診断する上で欠かすことができない手順の一つです。今回、「稟告をどうしたら聴取できるのか。」を考える機会がありましたので、私自身の経験や書籍を参考に、現時点の私の考えを残してみました。 この問いに特に悩みを持っているのは…

農家さんが何を求めているかを理解する

ちょっと気になることがあったので、記しておこうと思いました。 農家さんとのコミュニケーションで私が(意識しないと出来ていないから)気にしていること。 あいさつ(社会人として当たり前)。農家さんは今日初めて会う人は私かもしれない。さらには今日…

PG-PG-GnRHショートシンク法の改善案

2年前に以下の記事を書きました。 daisaku-nosai-hokkaido.hatenablog.com このPG-PG-GnRHショートシンク法は乳牛の繁殖管理において非常に有用な定時授精法と今でも思いますが、最近の文献を読んでいると、間違いがあることに気づかされ、もしかし…

アイデアは多くの人の意見を聴くことが大事

前回の投稿に引き続き、アイデアの話です。続ける気持ちはなかったのですが、先日TVで似たような内容が放送されていましたので、メモの気持ちブログを書きました。 ユニクロがヒット商品を生み出すには一人の女性が大きく関わっていることが放送されていま…

職場で自分に求められていること。「アイデア」と「企画力」。

新しい職場で、自分に求められていること、それが「アイデア」と「企画力」。 正直なところ、自分はもともと頭が切れる人間でもなく、これらの能力が高いとは全然思えず、正直悩む毎日が続いています。 どうしたら皆に役立つアイデアを出せるのか? どうした…

転勤

2007年にNOSAIに就職して16年、ずっと一つの診療所で仕事をしてきましたが、ついに転勤になりました。11月1日から新しい職場です。 長きに渡り、この地で私を育て応援してくださった診療所、農家さん、農協、普及センター、町役場、家畜保険衛生所の方々には…