深夜2時。 俺は、会社支給のノートPCで、意味のないレポートを打っている。指先が、スマホのフリック入力に最適化されすぎて、もはや物理キーボードの感触を忘れかけている。押したかどうかも分からない、ペチペチという虚しい音。 「ああ…昔は、もっとタイピングが楽しかったはずなのに…」 親指でカチカチと文字を打った、あの頃の携帯電話。シャキーンとスライドさせた、憧れのスマートフォン。そして、キーボードを内蔵した、尖りまくったUMPC(ウルトラモバイルPC)。あの、指先に伝わる確かな"手応え"と"ギミック"は、どこへ行ってしまったんだ? そんな、失われたテクノロジーへの郷愁に浸っていた俺の目に、まるで幻か…