文政13年。4月(朱書、6月10日頃だと)鳴海あたりで三度飛脚(月3回江戸と大坂を往復した飛脚)の宰領を殺して大金(朱書、311両)を奪った者の仲間は2人だと。大濱の茶屋で朝の食事をし(これは殺した朝の早朝だと)、焦っていたのか値段も聞かずに南鐐(二朱銀)1つを置いて足早に行ってしまったので、茶屋の女房がこの2人は飯代も払わずに行ってしまったのかとつぶやき、見れば南鐐1つが置いてあったので亭主に話すと、亭主は犬被(?)者であったので聞くといいや、この者は只者ではないのでと陣屋へ駆けつけ(朱書、陣屋の同心は吟味のため出かける途中でこの亭主に会ったのでなおさら早く出発したと)、同心などは亭主と一緒…