★ふるさとの闇こそしづめ大晦日 飯田蛇笏 私の好きな句のひとつ。文字どおりに「ふるさと」を生まれ故郷と解してもいいが、ふるさとというものがない私には、記憶に残る懐かしい土地、と解している。現在この国に住む多くの人はふるさとという言葉を喪失している。祖父母や父母の代から都市の人間としてふるさとはない。あるいはふるさとから切れている。 ただし日本という国以外にルーツのあるかたたちにとっては、本人や父母の出自の土地に対する思い入れはまた違った意味で懐かしいものであろう。飯田蛇笏の生きた時代とは大きく様変わりはしている。 私にとっては、ふるさと=懐かしい土地は、親の転勤で幼少期に過ごした北海道や、学生…