ジルマルセックス氏の此度の有意義な企ー音樂解釋演奏講演ーに就て一言仕度い。 其舞臺は十六世紀より當代に至る各國の大作曲家にわたり微に入り細を穿つたものである。此方法こそ彼のコルトーが巴里、エコール、ノルマールに於て現に使ひつゝあるもので、コルトーを最もよく知れるジルマルセックス氏に依て、同方法に依る講演が我々の爲に爲される事は、何と云つても我樂壇近來の快事と云はなければならない。 東京に於て此の企は總ゆる好樂家の非常な賞讃と感謝の内に終始したのであつた。 今同じプログラムを以て關西の諸子に見える、少くとも音樂に愛好を持つ方ならば何人たるを問はず、智的に又情的に胸の奥深く得らる々何物かを期待する…