本書の奥付を読むと、「別冊文藝春秋」(172~186号)に発表され、1989(平成元)年9月に単行本が刊行された。1992年9月に文庫化され、それ以降増刷が続いている。 江戸屋敷詰め用人の職まで勤め、新藩主が家督を継承する時点で、三屋清右衛門は家督を惣領又四郎に相続させ、隠居となった。清右衛門は国元に戻り、新藩主から隠居部屋を普請してもらうという厚遇を受けた。 このストーリーは、隠居した清右衛門が、様々な人から依頼され、様々な課題・案件に取り組んで行くプロセスを描き出していく。 清右衛門は隠居して、日記をつけ始めた。日記の題が「残日録」。 清右衛門はその題について、惣領又四郎の嫁里江に、「日残…