阪東妻三郎の映画を観ると、芝居の「大きさ」に圧倒される。誇張ではない。画面に奥行きがあり、動きに幅があり、ひとり立つだけで場の空気が変わる華がある。その大きさは豪放さだけで成り立ってはいない。 打ち上げ花火のような豪快さの内側に、線香花火のような繊細さと儚さが同居している。ふと子どものようにはしゃぎ、無防備に感情をこぼす。その屈託のなさ、童の気配こそが、阪妻の芝居を単なるスターの演技ではなく、「生きもの」として画面に刻み込んでいる。 そのスケールと脆さが共存する阪東妻三郎の映画の魅力を、代表作とともに辿っていく。 阪東妻三郎おすすめ映画 『雄呂血』1925年 『血煙高田の馬場』(1937年) …