一問一答 諏訪根自子と山田耕筰 四月十二日。正午、日本橋の「ちとせ」の二階。山田耕筰氏は瀟洒な和服、諏訪根自子氏はグリインの外套と帽子を脱ぐと可れんなセイラ服となる。お母さまも御一緒で。 日本座敷のお向かひはレコオド樂器店で時折キザな流行歌やジャズが紛れこんだりしては純粹音樂家の耳をくすぐる。山田耕筰 (先づ挨拶がすむと)この間新響公演で、諏訪根自子さんと私との演奏會があつたとき、ある口の惡い人が、まるでお孫とお爺さんの演奏のやうだと云つてましたけど、ほんとにさうですね。(一寸思ひ入れ)しかし小さい小さいと云つてる間に、もう随分大きくなつてしまひましたね。おいくつです?諏訪根自子 (微笑して)…