できるか、できないか。やるか、やらないか。その二択で考えると、いつもどちらかを無理して選ぶことになる。 スイちゃんは、少し考えてから、首を横に振った。「全部はできないけど、少しなら」そんな選択肢があってもいいはずなのに、いつのまにか自分には許さなくなっていた。 無理のない範囲、という言葉は、弱さの言い換えじゃない。体調や気分、その日の余力をちゃんと見て決める、現実的で、誠実な判断だ。 スイちゃんは、距離も同じだと思っている。今日は近づけない日。それは、相手を遠ざけたいからじゃなくて、自分の調子を守りたいから。 全部応えなくてもいい。期待に満ちた視線から、少しだけ離れる。それだけで、心の中に余白…