藤沢周平の小説は文庫本で集めた。どちらかというと、晩年に文庫本となった小説からランダムに読み始めている。 本書は1985(昭和60)年3月に文庫化された。単行本が刊行されたのは、1976(昭和51)年6月、著者49歳の時である。 この短編集を先に読もうと思ったのは、本書のタイトル「逆軍の旗」が明智光秀を扱っていることが動機だった。 本書には、< 逆軍の旗 > < 上意改まる > < 二人の失踪人 > < 幻にあらず > の4編が収録されている。 文庫の「あとがき」に著者は記す。「ありもしないことを書き綴っていると、たまに本当にあったことを書きたくなる。この本には、概ねそうした小説をおさめている…