裏千家淡交会の会報誌「淡交タイムス8月号」に、先日逝去された鵬雲斎大宗匠の寄稿文が掲載されていました。 百二歳の8月15日を迎えるつもりでしたためられたのでしょうが、これが結果として、最後の一般向けの文章になってしまったようです。そこには、特攻隊で多くの仲間を失い、自分だけが生き残ったことへの割り切れぬ思いが、やはり語られていました。戦後、大宗匠は茶道普及のために渡米されます。その前年に「若宗匠」の称号を受け、その折に吉川英治から贈られた一句を、生涯忘れられなかったと今回の文章で述懐されています。 若竹の伸びや 陽の恩 土の恩物思いにふけるときには嵐山の竹林に出かけ、この句を思い出していたそう…