七杯目は、有間皇子。孝徳天皇の皇子であり、斉明天皇の甥にあたる方です。まだ若く、皇族としての未来に期待を抱かれていた一方で、その純粋さがかえって政治の渦に飲み込まれてしまいました。 斉明天皇が紀伊の温泉に出かけていた折、留守官となった蘇我赤兄が有間皇子に近づきます。「天皇の政治は失敗続きだ。立ち上がるなら今だ」と。赤兄の言葉に耳を傾けた皇子は、志を動かされたのでしょう。しかしそれは仕組まれた罠でした。赤兄は裏切り、謀反の企てはすぐさま露見してしまいます。 そして皇子は紀伊の藤白坂で捕らえられ、処刑されることになりました。飛鳥の権力争いの中で、まだ若い命がいともたやすく断ち切られてしまったのです…