とりあえずこの一節をご覧いただきたい。 又むかしより、天帝きたりて行者の志気を試験し、あるひは魔波旬きたりて行者の修道をさまたぐることあり。これみな、名利の志気はなれざるとき、この事ありき。大慈大悲のふかく、広度衆生の願の老大なるには、これらの障礙あらざるなり。 『正法眼蔵』「渓声山色」巻 道元禅師が示された「渓声山色」巻は、ただ自然がそのまま仏陀の説法であり法身だと説くだけでは無くて、後半には如何に名利を離れ、学道を進めていくべきかが示され、その前提となる懺悔について実践的に説かれている。その名利心を離れるか否かを問う中に、この「老大なる願」が示されている。 道元禅師は天帝が修行者を試験した…