爆弾犯の娘 母子家庭の著者の、家の中には、父親がいる。電車で通勤するサラリーマンだと教えられているが、家には父親の靴は無い(のちに2足買うことになるがそれはさておき)。池袋駅付近の猥雑な界隈で、一家は引越を繰り返している。隣区の板橋で母親が経営する手芸店に住民票を固定しているから小学校への報告は不要だ。そもそも友達にも家の場所を教えてはいけない掟がある。放課後は必ず母親の手芸店に寄って母親と一緒に帰宅する。玄関の鍵を開けてしばらくは喋ってはいけない。ドアを閉じて真っ暗な廊下を電気をつけながら進み、母親が奥の部屋をノックすると、ドアが開いて父親が出てきて、「おかえり。僕もさっき戻ったところなんだ…