320■ 水色のテープが貼ってあることから20代で読んだ本だということが分かる。『されど われらが日々―』柴田 翔(文春文庫1974年第1刷)ぼくが学生の頃、ベストセラーになった小説。この本を友人たちが皆持っていたように記憶している。内容はすっかり忘れてしまっている。**私はその頃、アルバイトの帰りなど、よく古本屋に寄った。そして、漠然と目についた本を手にとって時間を過ごした。ある時は背表紙だけを眺めながら、三十分、一時間と立ち尽くした。そういう時、私は題名を読むよりは、むしろ、変色した紙や色あせた文字、手ずれやしみ、あるいはその本の持つ陰影といったもの、を見ていたのだった。** カバー裏面(…