記憶が途切れた夜と、戻らない朝 いつの日だったのか、もう思い出せない。 曜日も、天気も、何も残っていない。 ただ、「道路に寝ていたことがあった」という事実だけが、 後から誰かの言葉によって私の中に置かれた。 寝たのか、倒れたのか。その違いさえ、もう分からない。 気がついたら朝で、家族と知人がいて、 私は世田谷区の東京都立松沢病院へ連れていかれた。 抵抗した記憶もない。納得した記憶もない。 ほとんど、何も覚えていない。 それでも、消えずに残っている二つの記憶 不思議なことに、あれだけ曖昧な時間の中で、 二つだけ、今もはっきり覚えていることがある。 ひとつは、診察結果。 医師が淡々と告げた「γ-G…