【碧色の淵】 少年時代に過ごしたところは、3つの大きな川に囲まれた町だった。夏休みともなると、友達4・5人でよく泳ぎに行った。当時は、危険だからといって学校が川遊びを禁じたりはしなかったのだ。在学中に生徒が2人も溺れ死んでいるのに、それでもPTAが騒ぐようなことも無かったのである。町は山間部に位置していて、流れる川は中流域なのだが、上流域もそんなに遠くはなかったので、タマには自転車に乗って、上流まで泳ぎに行っていた。上流は〈ミニ渓谷〉の様相を呈していて、川岸には大きな岩がいっばいあった。少年達はそこから川に飛び込んで遊んだ。岩場の頭上には山々の緑が覆い繁っていて、夏の陽射しの中で、クマ蝉やミン…