子どもの頃、小学館の「少年少女世界文学全集50巻」というものを舐めるように読んで育ちました。その中でも好きだった巻の一つが、バーネットの「小公子・小公女・秘密の花園」が入ったアメリカ編。それらを日本で最初に訳したのが「若松賤子」であるということは知っていましたが、どんな人であったかはまるで知らず。明治の初期に英語の児童文学を翻訳したのだから、いずれ良家の子女であったのだろうと思っていました。最近、彼女の生涯を書いた本があると新聞で知って、読んでみました。 本名は松川甲子(かし)、1864年(元治元年)会津藩士の長女として生まれる。幼少の頃、戊辰戦争で九死に一生を得るが、母を亡くし、生活苦から横…