兵庫県の南西の端の地域は、旧来、赤穂(あこう)郡という郡だった。通例、郡内で成立する市は、ひとつだけである(大都市圏で見られるように郡全域が都市化した場合は例外)。江戸時代以前から郡内の中心となってきた城下町や宿場町、湊町などが、明治以降の市町村制で、町となり、さらに発展して市となるパターンが一般的だ。ひとつの郡内で複数の市が成立している場合は、何らかの特殊事情があると見てよい。赤穂郡では、赤穂市と相生市という二つの市が発生している。この二つの街の成り立ちの象徴を求めて現地を歩いてみた。 兵庫県 旧・赤穂郡(2市1町)(現在は上郡町のみが赤穂郡に残る。) 赤穂・相生市境の高取峠江戸城で起きた赤…