妹(いも)が目を 始見(はつみ)の崎の 秋萩は 此月(このつき)ごろは 散りこすなゆめ 現代訳 始見(はつみ)の崎に咲く秋萩よ。どうか、この月の間だけは散らないでおくれ。お願いだから、けっして。 歌の意味 この歌は、大和国・跡見(鳥見)山麓に広がる「始見(はつみ)の崎」を舞台に、萩の花に恋心を託した相聞歌(恋歌)である。 「妹が目を」は「始見(はつみ)」にかかる枕詞で、地名を導くために置かれる語。 「始見(はつみ)の崎」は、現在の奈良県桜井市外山(とび)付近、および吉隠(よなばり)近くの鳥見山(跡見山)山麓と考えられている。万葉集の地名として古くから注目され、桜井市外山の等彌(とみ)神社境内に…