ここで採り上げる如山道住の『禅戒決疑篇』とは、現存しない文献であるとされる。しかし、卍海宗珊禅師(1706~1767)の『禅戒訣註解』に影響を与えたとされるため、実際にどのような文献であったのか、『禅戒訣註解』に引用される内容から探ってみたい。 その前に、卍海禅師自身は同書について以下のように指摘している。 且つ永正如山禅師、余に与えるは逆らうこと莫れ。嘗て決疑篇を作して、禅においてか教においてか、宗正学優なり。以ての故に、余、今其の要を援じて、以て吾が義を証す。 『禅戒訣註解』「禅戒訣註解の後に書す」、『曹洞宗全書』「禅戒」巻・386頁下段~387頁上段、訓読は拙僧 このように、卍海禅師は如…