文政11年。戌子(文政11年)元旦の5日間は晴天。10日頃から寒さがかなり厳しくなり、去年の寒中よりは寒さも増し、氷が張り、雪も少しずつ降る。大須大塔の造営が終わるが、供養は住職がいないので延期となる。2月9日、菖蒲皮町玄乗寺で祖師遠忌の供養が行われる。児音楽、説法が行われる。2月17日、砂のようなものが降る。空は薄曇りで霧がでたよう。同21日、八事山普門堂の上棟が行われる。この日から開帳し、女人の参詣を許す。この堂はこの度山の上に再建したもので、昔は山の麓にある小さな堂であった。この日大工棟梁は束帯で黒袍、脇は赤袍を着る。東御坊の新殿が建ち、瓦を葺く。ただし、中はまだ出来ておらず。3月8日か…