2019年「螺旋プロジェクト」の一環作品ということで読んでみた。このプロジェクトにおいては、「未来」を扱う作品。近未来の先にある未来である。 『小説BOC』の創刊号~10号(2016年4月~2018年7月)に連載されたものに加筆・修正され、2019年7月に単行本化されている。 2095年の東京は慢性的な「不眠の都」になっている。その東京の都心部を東西に分断し厚さおよそ1m、高さ約6mの<壁>ができている。<壁>が建てられたのは2071年、今や四半世紀を数える。<壁>は大昔に巨大な団地群があったエリアを二分化していた。当初は<壁>の存在が暴徒たちの戦場ともなった時期がある。そして、<壁>には数多…