ここはある山奥に建てられた寺である。 この寺には生き仏と呼ばれている住職がおり、その噂を聞きつけてやってくる修行僧が数多といた。 これは住職と修行僧の問答修行の一部である。 修行僧問う、 「住職様、成仏とはいかなるものでありましょうか?」 住職答う、 「成仏とは仏の境涯にいたるということです。ほとけの境涯に至るということは仏のように優れた感覚を持つに至るということです。」 修行僧問う、 「仏のように優れた感覚というのはいかなるものでありましょうか?」 住職答う、 「それはあなた自身の中にもあるもの。金のある無しに関わらず、また知識のある無しに関わらず、誰の中にも差別なくあるものです。」 修行僧…