はじめに 長期にわたる超低金利、そして実質マイナス金利――これは単なる景気対策の副作用ではありません。現代の資本主義がすでに構造的な限界に直面しているという、重大なサインです。 かつて銀行は経済の中心でした。人々から利息を付けて預金を集め、信用を担保に企業へ貸し出し、企業は利益を利息として銀行に還元する。こうした「預貸金利差」を収益源とするモデルが、金融の根幹を支えていました。銀行は信用こそ命であり、社会的責任の象徴でもありました。 しかし現在、銀行が中心となって資金循環を担う仕組みは崩れつつあります。優良企業は銀行に頼らず、社債発行や内部留保で自前の資金を調達します。つまり、低リスクで貸せる…