感染症研究に不可欠な「ワンヘルス」の視点 感染症を理解するうえで、人間の健康だけに注目するのは不十分です。動物や環境を含めた包括的な視点を持つことが不可欠であり、この考え方を「ワンヘルス」と呼びます。塩田真里子氏は、この枠組みこそが感染症のコントロールに欠かせないと強調しています。 1. 動物由来のウイルスと人間社会の関係 世界で流行する感染症の多くは動物由来です。エボラウイルスや新型コロナウイルスをはじめ、さまざまな病原体は動物から人間へと伝播してきました。特にコウモリは多様なウイルスを保有しており、人間への感染源として研究対象になっています。塩田氏は、人と動物の生活圏が交わる地域では、新た…