フランス映画「サムライ」 渋い。渋過ぎる映画だ。 「侍の孤独は他の誰の孤独よりも深い。同等の深いものがあるとすれば、森にいる虎の孤独だろう ――『武士道』より」冒頭でキャプションが入る。視聴者に森の虎以上の孤独をとくとご覧あれ、と紹介されるサムライ、実は新渡戸稲造の『武士道』からではなく、監督の創作文だという。ちょっと侍の意味合い間違えてる?ではあるけれど、いいんす。原題『LE SAMOURAI』。日本の侍を完璧仕事人のヒットマン、ジェフ・コステロに見立て、一匹狼の殺し屋の孤独を描く。 カナリヤの鳴き声と途切れ途切れに通る車の音。暗い室内のロングカットから、ふと煙草の煙が見え、ベッドで横になっ…