今日は大晦日。正月、師走も押し迫ってくると、世の中の空気が少しだけ変わる。街も人も、どこか落ち着きを失い、忙しさに包まれていくように感じる。 私の田舎では、この頃になると、家々で一年を終えるための支度が始まっていた。まずは煤払い。かまどや囲炉裏にたまった煤を落とし、家の内も外もきれいにする作業である。 家が整うと、次は正月のしつらえに移る。木戸から庭にかけてシラスをまき、白い道をつくる。門の両脇には山盛りのシラス。その上に門松を立て、竹や樫の枝を添え、しめ縄を張る。 しめ縄には、木炭や橙、ヘゴなどをはさむ。神棚、床の間、氏神さま、井戸――それぞれにもしめ縄を張り、家じゅうを順に浄めていく。 今…