第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの編成で奏される弦楽四重奏曲が西洋音楽において重要な位置を占めており、質・量ともに極めて多彩豊麗な作品の書かれていることは改めて言うまでもないでしょうが、ここにヴィオラもしくはチェロのパートを加えた弦楽五重奏曲となると、その数は一気に減少します。 これはモーツァルトにおいても同様で、彼の作曲した弦楽四重奏曲が20に余るのに対し、同五重奏曲の方はわずかに6つの完成作を残しているのみです。 その第1番は1772年末、ミハエル・ハイドンの提示した新たな弦楽五重奏曲に触発されて書かれたことは、現在ほぼ定説となっています。 しかしその後長らく、このジャ…