「鶴は千年、亀は万年」 彰が大きな声で繰り返す。 「どれ、じいじにも見せてくれ」 俺はそう言って彰の手元をのぞきこむ。 そこには彰の手によって折られた色とりどりの折り紙が並んでいる。 「これはなに?」 「カエル」 「じゃあこっちは?」 「キツネ」 「うまいもんだ。どこで教わったんだ?」 「学校。友達と休憩時間に折ってる」 そう言いながら彰は黙々と手を動かしている。 「ただいまー」 玄関の方から声がした。 「お、誰かな?」 「ママだ!」 彰はぱっと顔をあげると、一目散に玄関の方へと走っていった。 「ケーキ、一番大きいの買っちゃった」 そう言って彰を半分ひきずりながらリビングに入ってくるのは娘の伊…