えらぶたもなく、
胸びれもなく、
腹びれもなく、
背びれも尾びれも尻びれもほとんどない。
肋骨もなく、
浮袋もなく、
空気呼吸をする。
そんな魚。

シンブランクス
学名:Synbranchus sp.
別名:南米タウナギ、シンブランカス
最大長:60~150cm
日本にも生息するタウナギと同じタウナギ目に属し、
見た目も生態もタウナギと類似。
しかしタウナギより巨大化し、
顔つきやエラのつき方が異なっています。


のどの下にあるひだ、これがエラ。
他の魚とはずいぶん異なりますね。
普段はこうやって木の枝のように上を向き、
ときおり水面で空気呼吸をしています。
擬態し身を守りながら、獲物を待っているのでしょうか。
私が始めてシンブランクスを見たのは三鷹にあった伝説の店、
タマ水族館。
店の入り口にある水槽に150cmの大蛇のような魚がいて、
何じゃこれは!
と強烈なインパクトを受けたのを憶えています。
その魚のインボイスは「アナコンダシンブランクス」。
特に大型になるシンブランクスの一種でしょう。
シンブランクスの飼育はいたって簡単。
タウナギに準じるというよりもハイギョに準じる、
と言ったほうがわかる人が多いかもしれません。
要は水替えも、餌も、かなり適当でも平気。
夏の高温も問題なしです。

性質もハイギョにかなり似ていて、
混泳には注意を要します。
性格自体は温和なのですが、待ち伏せ型だからでしょう、
反射的に目の前のものに噛み付く習性があります。
うちもかつて混泳水槽に入れていたことがありますが、
混泳魚の腹に逆V字の傷が付くようになり、
よくみるとこいつが真下から噛み付いた跡だったと判明。
それ以降は単独飼育です。
あと、
見た目どおり狭いところに入り込む癖があるので、
小さいうちは上部フィルターに入り込んだりします。
脱走注意ですね。
混泳と脱走にさえ注意すれば飼育は、
全熱帯魚の中でもトップクラスに簡単といえるでしょう。

幼魚時はオリーブ一色。
成長につれてマーブル模様が出てきました。
シンブランクス科には何種かいるようですが、これがどの種に当たるかは不明。
最もポピュラーなSynbranchus marmoratusかも知れません。

正面顔は愛嬌があります。

こう見るとハイギョみたい。

あ、出てきました!



・・・100cm超えたところ想像したら、ぞっとしますね。
魚というより蛇に似た体型ですが、
現地ではマーティミズモグリ Hydrops martii callostictus
という蛇の餌になっていたりするようです。
私も台湾でタウナギを食べたことがありますが、かなりおいしく、
シンブランクスもやはり美味なのでしょうか。
ちなみにタウナギは上野のアメ横センタービルなどで、
中華食材として生きたまま売られています。
食材扱いなので安く、20~30cmで数百円と言ったところ。
食べるなり、飼うなり、誰か試してみては?
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