コラボ相手はご先祖さま?

『善左衛門咖哩』
(ぜんざえもんかれー)
オープンは2024年4月6日。
おそらく日本唯一の「とろろ×キーマ」専門店です。
店主はかつて『ANDY CURRY』にいた西尾さん。

お店のコンセプトが面白くて、
「400年前に実在した西尾店主のご先祖、善左衛門さんがもし、カレーと出会っていたら?」
そんなif から想像を膨らませた独創カレーなんです。
カレーの種類は3つ。
基本の「善左衛門」、陶板で焼いた「焼座右衛門」、海老とココナッツミルク使用の「海老座右衛門」。

この日オーダーしたのはこちら。
★善左衛門 ¥1,480
・ライス:小
◎ハーフトッピングセット(3種選択可)¥580
・奥美濃古地鶏
・スパイス砂肝
・青唐ライスの上に粗挽きポークキーマ。
さらに青ネギ、卵黄。名古屋名物「台湾ラーメン」を髣髴とさせるビジュアルが楽しい!

とろろには昆布出汁と牡蠣醤油が加えられています。
まず、キーマをこのとろろに崩し落としながらいただくのが最初の楽しみ。これが大層具合が良い。

キーマの肉肉しさをとろろが優しく包んでスルスル食が進むんです。
さらにその脇のわさび。これを加えるとまた楽し。インドにもマスタードオイルでツンと味付けした副菜を加えたりしますが、その和バージョン。
色とりどりのアチャールに見えるのは和のお漬け物。
立派なスパイス砂肝は『ANDY CURRY』譲りですね。
なんだか色々楽しい。

別器で添えられているのはスープ状の出汁カレー。
好みのタイミングでキーマにかけて・・・

カレーやとろろ、漬物などぐわーっと混ぜて楽しい味変。
なるほど!これはまさに「ひつまぶし」作法ではないですか。
名古屋らしい!楽しい!美味しい!
◎エリザベス手づくりラッシー(バナナ) ¥680→セット割¥580バナナラッシーもリピートしたくなる美味しさです。
今まで「名古屋らしいカレーは?」と訊かれて答えに困ることが多かったのですが(カレーうどんは除く)、これからは胸を張って『善左衛門咖哩』と答えられますね。
ご馳走さまでした。
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名古屋名物、いわゆる「名古屋メシ」の中でも、ひつまぶし、小倉トーストと並び個性を放つ「あんかけスパゲッティ」。
その元祖は一般的には1959年創業の『ヨコイ』とされています。
また、その創業者の横井さんが以前働いていた『そ~れ』は発祥とも。
ですがもうひとつ、「あんかけスパ発祥の店」を名乗るお店があるのをご存じでしょうか。
場所は名古屋栄の商業ビルのひとつ「SKYLE」の9階。
『スパゲティ コモ』創業1962年の老舗スパゲッティ屋さん。

パーマヘアのおかみさんのマークが印象的ですね。

ショーケースにずらり並ぶサンプルが壮観です。
メチャクチャバリエーション多いですね。

店内は広々、S字カウンターのサイズもデカデカ。
道路の広さがお国自慢の名古屋らしいサイズ感です。

さて、ここが「あんかけスパ」の元祖を名乗る理由。
『スパゲティコモ』の店舗自体は1962年創業ですが、その5年前の1957年にあんかけソースを考案していたとのこと。
お店で提供をはじめたのは『ヨコイ』が先だけども、作ったのはうちが先、ということのようですね。
その頃、イタリアン系シェフの交流もあったようですから、いろんなアイデアも交換されていたのでしょう。
今となっては、その実情はわかりません。
・・・とまあ、そんな元祖論争は抜きにしても、ここは面白い。
ずらり並ぶメニューに60年代の洋食スパゲティ事情が見事に保存されているのですから。

創業以来、味を変えずに来ているそうですが、『ナポリタン』は「ソースとキスの黄金焼きスパ」、『バジリコ』は「しそとチーズ」、『インディアン』は「ドライカレー」なんですよね。
この店独自の呼び名なのか、その時代の理由があるのか、興味は尽きません。
私の目当てはもちろん「インディアン」。けれどもここはあんかけスパの元祖。
そちらを食べないわけにもいきません。
私「インディアンのあんかけでお願いします」
おばちゃん「あ、ソースかけますか?その方が美味しいですよ」
常連さんはインディアンのあんかけ」ではなく「インディアンのソース」と頼むらしい。
ソースと言わなければドライタイプ、ソースと言えばあんかけタイプで出てくるんです。
ちなみに受け答えしてくれたおばちゃんがお店のマークの名物女将かな?
となんとなく思っていたら、奥からさらにご高齢のおかみさんがゆっくりと出ていらっしゃいました。
そうですよね、昭和37年創業ですもんね。
★『インディアンのソース』ということで登場、カレーあんかけスパ。
麺自体カレー粉で炒められており、そこに「あんかけ」のソースがかかっています。

それにしても盛りが良い。
ワンコインちょいのお値段とは思えませぬ。
トップに乗っかったギョソにも昭和感が溢れます。

麺は鉄板で炒めたてのアッツアツ、カレーが仄かに香ります。
いわば、喫茶店のドライカレーの米を麺に置き換えた感じ。
そしてあんかけソースは仄かにピリリとしつつもサラッとした食べ心地。
『ヨコイ』や『パスタデココ』などと比べるとトマトソース感はかなり抑え目で、このほうがカレーっぽいかも。
物凄いと思われたボリュームも気が付けば完食。
皿に残ったソースをスプーンですくいフィニッシュ。
味が濃すぎない、言い方を変えれば「美味しすぎない」からこそ飽きずにいただけちゃう。
これって、長く続くお店に共通のポイントのように思えます。
昭和の空気に包まれ、昭和の良き洋食をいただいた思い。
なのですが、お店の一角には名古屋ロックバンド「lynch.」のポスターやサイン、グッズがたくさん。

「ライブのあとに来てくれるんですよ。ステージでもコモのこと話してくれるから、ファンもいらっしゃるのでね。」
あんかけスパの大老舗、令和の新しいファンもついてきているようです。
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テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
ラーメン屋なのにタンドール窯があり、
ラーメン屋なのにスパイスカレーを提供している。
そんな我が道を征くお店が名古屋にあります。
『達磨食堂』繁華街からは随分離れた住宅街に突如現れる、圧の強い看板。
オープンは2019年2月です。

この日は日曜13時すぎの訪問。
記帳制で前に3人待っていましたが4分ほどで店内へ案内されました。

スパイスカレーの種類はほぼ日替わり。
さらに土日限定でカレーラーメンも提供しているんです。

もちろん、狙っていましたよ。

カレーラーメンも食べたい、スパイスカレーも食べたい。
「迷ったら両方」
どこかのえらいお坊さんが言っていたような、絶対言っていないような。
まず、この日のカレーラーメンはこちら。
★タンドリースパイスカレーラーメン「神戸牛と蛤のカレーつけ麺」(並300g)¥1200麺の上には神戸牛のステーキ、ハマグリ、そしてちゃんとタンドール窯で焼いたローストチキン。
さらにスパイス香るカレーつけ汁。
そもそも価格設定が異次元です。

カレーつけ汁がまず濃い。
辛い、ではなくいい感じにスパイシー。これだけで飲めます。

神戸牛はもちろんそれだけで美味いのですが、脂の甘みが(麺の丼ぶり側の)スープにも染み出して麺に絡んでいます。
ハマグリも同様、がっつりとした出汁が麺に絡みまくり。
こうして出汁と旨味が絡み合った麺をカレー汁につけて食べると、出しスパイスカレーと成る寸法。
もちろんカレーにつけなくても美味なのは間違いなし。
さらに麺はツルツルモチモチの冷し麺。
自家製麺だそうです。
タンドリーチキンも言ってみれば、極上の鶏チャーシューですよね。
いちいちレベル高いのがどうなってんだか。
ラーメンとしてもカレーとしてもハイレベル。合わせればさらにハイレベルというこれは、とんでもない代物。
汁まで全て完食し、食べ終わると同時に満腹感と名残惜しさが同時にやってきました。
★ミニカレー「ポークジンジャー」¥350スパイスカレーの方はミニサイズがあり、しかもビックリするほどのお得価格。

その名の通り、がっつりとジンジャーが効いたスパイスカレー。ポークもラーメン屋ならではのクオリティ。
余ったご飯はラーメン汁に投入と、全てが美味く噛み合っています。
ちょっと、ここまでの満足感は他のラーメン店では味わえないですね。
『達磨食堂』を始める前は居酒屋を営んでいたという店主の日沖さん、アイデアの引き出しがたくさんあるようでかなりいろいろな挑戦をしています。
定番の「台湾焼きラーメン」の他、「家系とんかつのせ豚骨エスプレッソラーメン」とか「ククラコマスブデコの肝入りカレー」とか。
メニュー名聞くだけでぶっ飛べそう。
食の探求心が強い方はぜひSNSをチェックしてみてください。
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今池で、お洒落で美味しく楽しいスリランカレストランを捕捉。
『RANGA LANKA (ランガ ランカ) 』オープンは2021年11月12日。

半地下スタイルの店構えは雰囲気抜群。

広々とした店内はモダンでエレガント。
スパイス料理や各国料理のマニアだけでなく、ワインやビールに合わせて美味しい料理を食べたい客層もしっかり意識しているようです。
まずはビールから。
★ライオンラガー ¥880スリランカを代表するビールといえばライオン。
アジア最古のブリュワリーで醸造されています。
最近ラベルがリニューアルしカッコよくなりました。

スターターで出てくるサラダにも楽しいアイデアが。
パリパリフレッシュな野菜の上に、スリランカ料理に欠かせないモルディブフィッシュ(ハガツオで作る鰹節に似たもの)や、ライム、アーモンドがトッピング。
サラダに手を抜かないお店は良い店です。
そしてオーダーしたのはこちら。
★SRI LANKA CURRY SET ¥1870ワンプレートにライス、カレー、副菜を盛りつけたスリランカの定番「Rice&Curry」スタイル。
サイドディッシュは肉か魚か選べたので魚を選んだら、やってきたのはでっかいマグロのカマ!

ツナパハ(スリランカのミックススパイス)でマリネし寝かせたのち、ガラムマサラで香りづけしたパン粉をまぶしているんです。
これはかなり洒落ていますね!
ふんわりジューシーなマグロ肉とパン粉の食感のコントラストがたまりません。

「Rice&Curry」で特に印象に残ったのは、ナスとハールマッソ(干し小魚)のテルダーラ(油炒め)。
ダブルの旨味でご飯が進みます。
お米はバスマティライス。後半はそれぞれのおかずを一気に混ぜ合わせましょう。
もちろん、マグロのカマ肉も一緒に。
総じてデフォルトでは辛さ控えめ。
これは絶対ワインやビールに合わせることを想定していますね。
ということで「本日のグラスワイン」リストから一つ。
★ブロンド・バイ・ナチュレ ¥900とにかくエチケットがカワイイ!
オーストリア産、トロピカルフルーツのようなニュアンスがあるオレンジワイン。
シュワッとした酸味も魅力ですね。
実に洒落たディナータイム。
これが西洋の料理か、東洋の料理かなんて意識する必要のない、コスモポリタンな感覚に溢れています。
シェフのツシャンさんはスリランカのホテルで料理人のキャリアをスタート。
トンカツ屋、イタリアン、スペインバルなど様々なジャンルを渡り歩いてきたそう。
そのキャリアが自在かつ洗練された料理アレンジに活きているのですね。
食後、今後の企みについても楽しくお話し。
これからもきっとどんどん面白くなる、期待のお店ですよ。
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日本ではとても珍しいアフガニスタン料理を名古屋で。
『アリアナレストラン』看板には「アフガニスタン・インド・イラン料理」とあります。
聞くところによると創業時のオーナーがアフガニスタン人だったようで。

現在はネパール人スタッフが多い様子ですが中東、特にドバイ辺りではインド料理店のスタッフとして(宗教上の食の制約がない)ネパール人が重宝されていることもあり、そういう意味ではこれがリアルともいえるわけです。

店内には大テーブルもあり、ムスリムの皆さんのファミリーパーティー需要があることが窺えます。
今回は多彩なメニューの中から、アフガニスタン料理に的を絞ってオーダーしてみましょう。
★キリンフリー ¥480こちらムスリム料理のレストラン。
完全ハラール対応ですのでアルコールの提供はありません。
★マースト ヒヤール ¥350アフガニスタン料理に必須のヨーグルトサラダ。
ペルシア語でマーストはヨーグルト、ヒヤールはキュウリ。
ヨーグルトにキュウリが入っている点ではインドのライタと同じですが、ライタのようにチャットマサラを用いることは無く、
サワークリームとミント、ニゲラ(ブラッククミン)で爽やかな仕上がりになっています。
そのまま食べても、他の料理につけてもOKなのでとりあえず頼むべし。
さて、アフガニスタン料理で「ボラニ」といえば全く異なる2種類の料理があります。
「Bolani」と「Burani」.、日本語では「L」と「R」の区別がつかないので混同しがち。
★ボラニ ¥1000こちらは「Bolani」。
小麦粉を練って作ったパンの中に具材を包み焼いた、いわゆる「アフガン風お好み焼き」です。
具材はコリアンダーシードなどのスパイスを用いたマッシュポテト。
ソースはヨーグルトかスイートチリかが選べます。
さっきのマースト ヒヤールがあるので、ここはスイートチリでオーダー。
★ボラニ リーク ¥1000こちらはニラ入り「Bolani」。もちもちしてチヂミのよう。
中東でニラってイメージはあまりなかったのですが、アフガニスタン料理ではニラをよく使うそう。
かつてシルクロードの要衝として栄えたアフガニスタン。
エジプト原産のクミンが西から東へ渡り中華料理で用いられるようになったのとは反対に、
中国原産のニラがこの地の定番食材になっていることがとても興味深いですね。
★ボラニボンジョン ¥900さて、こちらのボラニは「Burani」(「Borani」とも)。
野菜などのヨーグルト和えです。
ボラニボンジョンは揚げナスのトマトソース煮にヨーグルトを加えた仕立て。
こちらはグッと中東やその西、地中海料理に通ずる世界観ですね。
★アシャック ¥1300アフガニスタンの水餃子アシャック。
プルッとした薄皮餃子の中にはニラが入っており。
その上に挽き肉とヨーグルトが乗っかっています。
まさにこれこそ、東西食文化がクロスするシルクロードそのものではありませんか。
★オロビア ¥500メニューには「ささみポテトサラダ」とあったのですが、しっかりほぐされたササミがたっぷりジューシー。
食感や味の印象は「シーチキン」そのものです。
シーじゃないチキンなんですけども。
これでサンドイッチ作ったら「シーじゃないチキンサンド」として売れるんじゃないかしら。
誰もが美味しいと思える素直な味です。
さて、メインの料理がやってきましたよ。
★ゼレシュクパラウ ¥1650つまりインドのプラオやトルコのピラウ、フランスのピラフ、ロシアのプロフと同根の米料理。
ザックリ言えば、炒めた米を様々な具材や香辛料などを加え炊いたものです。
ゼレシュクとは中東でよく食されるバーベリーのこと。
古代エジプト時代から解熱や抗菌・抗炎症作用、冷却作用の薬として使用されてきた甘酸っぱいベリーです。
用いている米はバスマティライスで、贅沢に用いられたサフランの香りがたまりません。

中には玉ねぎで煮込まれた骨付きチキンが。
スパイス使いはシンプル、というかほとんど用いられていないのですが、
肉の旨味と塩気、サフランライスの香りにバーベリーの甘酸っぱさが複雑に絡み合って、ビリヤニとはまた違った魅力があります。
総じてスパイス使いはシンプルで穏やか。
辛さも控えめで、香りや酸味、旨味を楽しむ料理が多い印象。
お子様連れでも安心して楽しめるお店ではないでしょうか。
反面、とにかく酒が飲みたい!という方にはちょっと我慢を強いるお店ですね。
まぁ、ハシゴすればいいんですけど。
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