Animage YOU AND IDOL PRECURE♪ SPECIAL ISSUE
徳間書店刊 2025年
☆☆☆☆
今年も無事出ましたアニメージュのプリキュア増刊号。
昔は映画公開から1ヶ月後とかだったのですが、今は映画の方が前に1月分ずれたので、やや半端なタイミングに思えてしまいますが、出してくれるだけで有難いですし、読みごたえは十二分にあるので毎年の楽しみの一つです。
タイミング的には41話までの内容。42話がカイトがキュアコネクトに変身した回だったので、1週待ってその設定画とか載せられれば本の売り上げも多少変わったのでは?と思わなくもない。11月の最終週とか本の出るタイミングは最初から決まってるんでしょうけども。
それはともかく、インタビュー読んでると、TV・映画共にそれぞれの監督・脚本・プロデューサー全員がやる気に満ちてるというか、自分はこれがやりたいあれがやりたいっていうビジョンをきちんと持ってる人ばかりで、この辺りがプリキュアの質の高さを支えているんだなぁと思う。
畑は若干違うけど、同じニチアサとして「ライダー」と「戦隊」はやっぱりどこかローテーションで回してる感はちょっと感じるし、会社も違うけど、昔ガンダム関連の何かのインタビューで、アニメーターはみんなガンダム好きなんだけど、じゃあ監督やってみない?っていうとそれはちょっとと実際にやりたがる人は居ないらしい。
まあガンダムは新しい事やると古参がボロクソ言ってくる閉鎖的な感覚は確かにあると思うし、ビジネスの規模もニチアサとは比較にならない大きさなので自分から手を上げるにはリスクが大きすぎるんでしょうけど。老害の富野も自分の事は棚に上げて偉そうに何か罵詈雑言浴びせてくるし。
ああ、そう言えばキミプリとは話がズレますが、TVシリーズ「ハートキャッチプリキュア」「ハピネスチャージプリキュア」映画の方の「5」「5GoGo」の監督をやっていた長峯達也監督が少し前に亡くなられていた事が発表されてました。
私はねぇ、たまに書いてますが、たまたまTVつけてやってた「ハートキャッチプリキュア」のムーンライトVSダークプリキュアのバトルシーンを見て、何だこれ今時の子供向けアニメこんな凄い感じなのか?っていうのがプリキュアに興味を持つきっかけになっていったんですよね。
ある意味では長峯監督の演出が私をプリオタに導いたとも言えるわけで、長峯監督って東映アニメーション所属の演出家でしたので、確かハピチャの時のインタビューだったと思うけど、東映アニメの各々の作品に対しては、もし自分が「プリキュア」をやるなら、「ワンピース」をやるなら、「ドラゴンボール」をやるならっていつも考えてその作品用のアイデアはストックしておいてるんですよ、みたいな事を言ってました。
その作品用に外部のスタッフを引っ張ってくるというよりは、長峯監督は東映アニメ内部の人で、言ってしまえばそこはローテーションに組み込まれる人の中の一人、という感じでありながらそうやってアイデアを溜めこんで次はこれをやってみよう、みたいなのを常に考えていたと。
シリーズ15作品目の「HUG」の時に佐藤順一SDが久々に東映に呼ばれて監督やったけど、15年も続いてるシリーズだから惰性でやってる部分もあるんだろうなと思ってたけど、みんなの熱量が予想以上に凄くてビックリしたとか言ってましたが、外部のスタッフにしても東映内部のスタッフにしてもみんな、それぞれに自分はこういうのがやりたいっていうビジョンがあるんだなってのを、今回の本の各々のインタビュー読んでても凄い伝わってくる。
村瀬P、今千秋SD、加藤陽一S構成、みんなアイドルテーマで行きたいという部分は共通だったけど、アイドルをどう描くかに関しては全員の方向性がバラバラだったって話が面白い。
私もキミプリが最初に発表された時は、アイドルアニメの文脈にプリキュアを組み込むような感じのを想像したけど、実際は物凄くスタンダードなプリキュアをやりつつ、味付けがアイドルという「プリキュア > アイドル」な感じで、こう来るかと思ったものです。
どんな路線にするかが定まりきらないなかで。舞台「ダンシングスタープリキュア」を見て、「これだ!」となったので、ダンプリをゲストに呼んだのはただのプロモーションではなく、そんな経緯もあってこそだったようです。
後はSDをやると、全体を見なきゃいけなくなる分、各話の演出やコンテには入りにくくなるけど、今監督はこの話自分でやりたい!みたいにバリバリに仕事しまくる感じが凄い。普通は1話と最終話ぐらいは何とか自らやる!ぐらいが大半なのに、ようやるわ。
スタッフではなく声優さんの方だと、プリルン/キュアズキューン役のナンジョルノさんがやはり凄い。ザックリー役の佐藤せつじさん、クラヤミンダー役の矢野正明さんと「どんなアドリブ飛び出すか協会」を結成してるとの事。楽しんでるなぁ。
せつじさんもXとかでかなりはっちゃけてプリキュア楽しいなってのを発信してますし、作品のスタッフとしても「ストレスフリーな作品にしたい」というのが共通認識としてあるので、小難しい顔をするのではなく、みんなで幸せに楽しくやろうよっていう作品なんだなと。
勿論、実際に見ていれば「ただ楽しいだけ」の作品で終わってるわけでもないし、それこそ映画なんて重たい話ではあったけど、大人としての分別はあるよっていう感じなんだろうなと。
個人的にはね、プリキュアシリーズの「意識高い系要素」って私は好きだし、ただの子供向けアニメに留まらないプリキュアの特異性って所に物凄い価値を感じても居るので、「キミプリ」はせっかく積み上げたものをちょっと崩してしまったかな感はあるにはあるんですけど、そこはやっぱり各作品なりの個性としてね、全部が同じでなくても良いとは思うし。
デザイン、音楽、CGとかもそれぞれ熱量が凄いし、楽しんで作ってるなというのは凄く伝わる。
ストーリーや演出の意図が明かされて面白かったとかよりも、キミプリ全体を包む空気感みたいなのが上手く回ってるんだなというのが感じられて、楽しい本でした。
あとはTV本編もクライマックスに向かうのみ。
果たして今や一人で不幸を背負っているチョッキリーヌさんの未来はどっちだ!
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