僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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猿の惑星・征服

猿の惑星・征服 [DVD]

原題:Conquest of the Planet of the Apes
監督:J・リー・トンプソン
脚本:    ポール・デーン
アメリカ映画 1972年
☆☆☆☆★

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まさかのタイムスリップ、人間の惑星に喋る猿が迷い込むという逆転の発想で乗り切ったのが3作目の前作「新・猿の惑星」。遥か未来から来たジーラとコーネリアスが残した子供、唯一生き残ったマイロは希望の星か、あるいは人類の破滅への第一歩なのか?

 

という事でシリーズ4作目「猿の惑星・征服」
原題も邦題通りの意味の「コンクエスト」ですね。3作目から20年後、未知のウィルスにより犬と猫が死滅、人間には影響の無いウィルスだった為、猿にも効果が無く、いつしかペットとしての猿が日常の世界になっていた。
しかも賢い猿は、かつての黒人にそうしたように訓練を受け労働力として扱われるようになっていた。その能力を隠していたマイロだったが、同族への悲惨な扱いを知り、シーザーと名を変え、遂に決起を謀る。

 

前作からの人種差別問題を更に加速させ、公民権運動とワッツ暴動を猿に置き替えて描く。しかもシーザーって名前、当然ローマ帝国の独裁王ジュリアス・シーザーになぞらえてのネーミングですよね。ローマは1日にしてならず・・・は調べたらプラトンでした。ジュリアス・シーザーユリウス・カエサル)は「賽は投げられた」の人か。

 

今回の革命は失敗に終わるだろう。では次は?その次は?
という問い掛けが痺れるくらいにカッコいい。

 

育ての親のサーカス団のアーマンドさんはマイロ(シーザー)をきちんと対等に扱ってくれるやさしい人だったが、世の中の人全てがそうではない。前作でジーラ達を追い詰めた人達のように、今回も知能を持った猿など認められぬ、人に害を成す存在だと追い詰めてくる者達はやはり存在する。そんな中でかつての黒人奴隷だった末裔のマクドナルドさんはシーザーに理解を示し、何とか説得を試みようともする。

人は何故、猿たちを恐れるのか?それは自身の先祖であり、同族である事を知っているからこそ、自身の闇をそこに重ね嫌悪する。別の種ではない、猿に自分を見ているのだ。

 

白人は英国からアメリカを征服し、ネイティブアメリカンを壊滅に追い込み、黒人を奴隷として使役した。アジア人を敵とみなし、ヒスパニックや他の人種に対してもいつもそうしてきた。世界の、地球の征服者。

 

しかし、同じく大陸を征服し一大帝国を築いたローマ帝国もいつしか滅びの道へと突き進む。

シーザーを名乗った猿は、自分のルーツでもあり未来が指し示す猿の帝国を築く王になるのか、あるいはなったとして結局は滅びの道へ突き進むしかないのか。

 

いや私ね、この作品を初めて見たのって丁度このブログを書きはじめる1~2年前くらいなんですよ。感想をアウトプットしないでただ忘れていくだけなの勿体無いなっていうのがブログの形で残すようになった理由です。

初めて見た時からもう大人も大人なわけです。だから社会的なバックボーンとかもちゃんと理解して見れて面白いなって感じたのもあるんでしょうけど、もしこの作品をね、中高生くらいの時に見てたらきっと「これこそが本物の映画なんですよぉ!頭の悪いエンタメなんかが映画の本質じゃない!テーマやメッセージ性があってこその本当の映画じゃないですか!」とか言いながら机をバンバン叩いて力説してたと思う。

 

今でもエンタメとテーマ性を両立させてるのが最も優れた映画。みたいな感覚はありますけど(というかそこが好み)中高生くらいだったらもうこういうのに心酔してただろうなっていうくらいにグッと来る作品です。

 

もうね、1からどんどん右肩下がりに低予算映画の道を突き進んでるんですよ。ぶっちゃけ1で積み上げた貯金を食いつぶしていってるだけ。毎回そこそこのヒットはするから続けられるってのも勿論あるけど、その中でいかにアイデアを膨らませていくか、そしてきちんと志も高くテーマを追求して行けるかっていうのを大真面目にやってるこのシリーズはホントに凄いしメチャメチャ面白い。

 

いや私も5や6、行くとこまで行って10とかまで続いているシリーズを言うほど沢山見てるわけではありません。実際に見たらそういうのもアイデアに溢れていて面白いのかもしれない。でも一般的にその手のシリーズ・フランチャイズに持ってるイメージって、面白いのはせいぜい1と2だけ。ギリギリ3は許せるかもしれないけど、4とか5とか惰性で無理矢理作ってるだけのクソ続編ってイメージありません?

 

それがこの猿の惑星パート4のこの面白さ!凄くないですか?

いや1みたいなSF大作を期待して観に来た家族連れが映画館でこれ見てポカーンとしてる後ろの席で、むしろこれこそが本物の映画なんだ!なんという風刺劇!社会の縮図や歴史をこんな形で描いてしまうとは驚嘆するしかないでしょこんなの!ってニヤニヤしてる私、みたいな。改めて見返しても本当に面白いなこのシリーズ。

 

という辺りで次が旧シリーズの最終作完結編「最後の猿の惑星」です。

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