こんにちは。
2025年12月から始めたばかりのシリーズです。
面白いスタートアップをメモしていきます。
面白いというのは
「えー?そんなことできるの?」
「考えもしなかった」
「役に立つか全然わからんけど見てみたい」
に引っかかったやつです。まぁ大体。
とりあえずしばらくやってみつつ、良い感じの形を探そうかと思っとります。
今日はこちら。
Tomorrow Bio
人体冷凍保存サービス(バイオスタシス)を提供する企業です。
将来の医療技術の進歩による蘇生を期待して、人々(およびペット)の遺体を液体窒素で長期保存するってやつですね。
昔からある発想だけど、本当にできそうだな。。
費用は20万ドル+1年の年会費55ドルだそうです。
全然富裕層の人やりそうじゃね?思ったよりめちゃくちゃ安い。
未来で復活すると、人類滅亡しているパターンの映画とか漫画とか多いですが実際どうなんだろうなぁ。
その他概要も含めて以下にまとめてみました。
Deep Tech企業分析レポート:Tomorrow Bio
〜欧州発、テック思考の「人体冷凍保存(クライオニクス)」〜
1. エグゼクティブサマリー
Tomorrow Bio(トゥモロー・バイオ)は、ドイツとスイスを拠点とする欧州初・最大規模の人体冷凍保存(クライオニクス)スタートアップです。
従来のアメリカ系団体(Alcorなど)が「富裕層向けの特殊な葬儀」という印象が強かったのに対し、Tomorrow Bioは「死を一時的な病気と捉える医療行為」としてブランディングし、サブスクリプション型のビジネスモデルと「移動式手術室(SST救急車)」による迅速な保存プロセスを武器に、一般層への普及を狙っています。
2. 企業概要と投資家(Funding)
誰がこの「未来への賭け」に資金を投じているのかは、事業の継続性を判断する上で最重要です。
- 企業名: Tomorrow Bio (Tomorrow Biostasis GmbH)
- 拠点: ベルリン(ドイツ)およびラフツ(スイス)
- 創業: 2019年 / CEO: Dr. Emil Kendziorra(元がん研究医)
💰 資金調達と主要投資家
直近のシードラウンドにて約500万ユーロ(約8億円)を調達し、米国への拡張を開始しています。
- リード投資家: TruVenturo (トゥルー・ベンチュロ)
ドイツの著名起業家Nils Reggeが率いるトップティアのカンパニービルダー。「長寿(Longevity)」分野に特化した投資を行っており、彼らのバックアップは欧州市場での高い信用を意味します。 - その他の投資家: Blast.Club
フランスの著名投資家Anthony Bourbonが率いるVCクラブ。Deep Techへのリスクマネー供給源として知られます。 - 提携組織: European Biostasis Foundation (EBF)
※重要:顧客が支払う「保存費用(数千万円)」はこの非営利財団(EBF)の管理下に置かれます。万が一Tomorrow Bio社が倒産しても、資金と遺体はスイスの財団で守られるスキームになっています。
3. コア技術:ガラス化保存 (Vitrification)
単に「凍らせる」だけでは、体内の水分が氷の結晶となり、細胞を内側から破壊してしまいます。これを防ぐために彼らが用いるのが「ガラス化(Vitrification)」技術です。
3.1 プロセスの詳細
- SST (Standby, Stabilization, Transport): 会員の死期が迫ると、医師や専門技師が乗った「専用救急車(移動式手術室)」が現地へ急行し待機します。
- 冷却と置換: 法的な死亡宣告直後、心肺補助装置を取り付け、体内の血液を抜き取り、代わりに不凍液(凍結防止剤)を循環させます。
- ガラス化: マイナス130℃以下まで急速冷却すると、体内の液体は氷の結晶を作らず、ガラスのような固体状態(アモルファス)になります。これにより細胞構造を破壊せずに保存します。
- 長期保管: スイスのEBF施設にある液体窒素タンク内で、マイナス196℃の状態で半永久的に保管されます。
4. ビジネスモデルと価格
「高額な初期費用」のハードルを下げるため、保険とサブスクリプションを組み合わせたモデルを採用しています。
4.1 会員費(サブスク)
- 月額: €50(約8,000円)
- 対価: SSTチームの24時間待機費用、緊急時の出動準備、メンバーシップ管理費。
4.2 保存費用(死亡時に必要)
死亡時に以下の費用が必要になりますが、多くの会員は「生命保険」でカバーしています。
- 全身保存プラン: €200,000(約3,200万円)
- 脳だけ保存プラン: €75,000(約1,200万円)
※「未来の技術なら、DNA情報から肉体を再生できるはずだから、脳(記憶・人格)さえあれば良い」という合理的プラン。
5. 現状のトラクションとリスク
5.1 実績 (2025年時点)
- 会員数: 欧州を中心に数千人規模(急速に増加中)。
- 保存済み患者: 約20名以上(ペットを含む)。
- 施設: スイス・ラフツにコンクリート製の堅牢な保管施設(EBF)が稼働中。地震や戦争リスクの低いスイスを選んでいる点が強みです。
5.2 倫理・技術的リスク
- 蘇生の保証なし: 「ガラス化」は成功していますが、「解凍して生き返らせる技術」は現在存在しません。ナノテクノロジー等の進化待ちであり、永遠に目覚めないリスクがあります。
- 法的死亡との兼ね合い: 法律上は「死体」として扱われるため、生きたまま冷凍することはできません(殺人になるため)。心停止後のダメージをいかに最小限にするかが技術的な勝負になります。
6. 結論・考察
Tomorrow Bioは、これまで「オカルト」や「SF」扱いされがちだった人体冷凍保存を、「確率論的な賭け(プランB)」として再定義しました。
TruVenturoのような実績あるテック投資家がバックについたことで、単なるカルト的な活動ではなく「長寿ビジネス(Longevity Industry)」の一角として認知され始めています。Cortical Labsが「脳の生物学的利用」なら、Tomorrow Bioは「脳の物理的保存」であり、どちらも「人間と死の定義」をテクノロジーでハックしようとする最先端の事例と言えます。
参照URL
なお、これまで株式投資型クラウドファンディングの案件やIPO案件も評価しています。興味あれば是非ご覧ください。
(詳しくはこちら)
IPO案件評価 カテゴリーの記事一覧 - ゆる投資とAIと暇つぶし
FUNDINNO案件レビュー カテゴリーの記事一覧 - ゆる投資とAIと暇つぶし
最後に、本記事はあくまで個人の見解であり、特定の金融商品をお勧めするものではないのでそのへんは自己責任で!