はじめに
情報セキュリティの専門家、城咲子です。皆さんのデスクや引き出しには、レシート、パンフレット、取扱説明書、そして公共料金の明細書など、紙の書類がどんどん溜まっていませんか? 私も以前はそうでした。しかし、これらの紙媒体は保管場所に困るだけでなく、いざ必要な情報を見つけようとすると時間がかかったり、劣化して読めなくなったりするリスクもあります。
私は情報管理の効率化とセキュリティの観点から、ペーパーレス化を強く推奨しています。そこで今回は、日々増え続ける紙の書類をiPhoneで撮影し、Google Driveに保存してOCR(光学文字認識)機能で検索可能にする方法について、私が実際に試している内容を交えながらご紹介します。
紙の書類をデータ化するメリット
なぜ、わざわざ紙の書類をデータ化する必要があるのでしょうか? いくつか重要なメリットがあります。
1. 検索性の向上
データ化する最大のメリットは、何と言っても「検索性」です。紙の書類の中から特定の情報を見つけ出すのは大変な手間ですが、デジタルデータであればキーワード検索で瞬時に目的の情報にたどり着けます。例えば、「東京ガスの今月の使用量」を知りたい時に、ファイルの中から該当する書類を探し出すのは一苦労ですが、データ化してあれば検索窓に「東京ガス 使用量」と入力するだけで見つけ出せます。
2. 保管場所の削減
物理的な保管スペースが不要になります。これにより、部屋がすっきりするだけでなく、オフィスであればコスト削減にも繋がります。
3. 情報の保護と可用性
紙の書類は火災や水害、紛失といった物理的なリスクに常に晒されています。デジタルデータとしてクラウド上に保管すれば、これらのリスクを低減し、どこからでもアクセス可能な「可用性」も確保できます。もちろん、クラウドサービスのセキュリティ対策は重要ですが、適切に利用すれば物理的な保管よりも安全性が高まります。
4. 環境負荷の軽減
紙の使用量を減らすことは、環境保護にも貢献します。
Google DriveのOCR機能とは?
Google Driveには、アップロードされた画像ファイルやPDFファイルに含まれる文字を認識し、テキストデータとして抽出するOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)機能が標準で搭載されています。これにより、画像の中の文字も検索対象に含めることができ、データ化された書類の価値を飛躍的に高めることができます。
iPhoneで撮影した写真をGoogle DriveでOCRする
さて、ここからが本題です。私はiPhoneでレシートなどを撮影し、Google Driveへアップロードしています。この時、一つ疑問に思ったのが「iPhoneからアップロードした時点でOCRはされているのだろうか?」ということでした。
結論から言うと、iPhone(Google Driveアプリ)から直接アップロードした写真ファイルは、アップロードされた時点ではOCR処理が自動で行われないようです。
OCR機能が有効になるのは、Google Driveにアップロードされた画像ファイルをGoogleドキュメントとして開いた時、またはPCのブラウザからGoogle Driveに画像をアップロードした時、あるいは既存の画像ファイルを右クリックして「アプリで開く」→「Googleドキュメント」を選択した時、のようです。
実際に試してみた
先日、「東京ガスの使用量」を調べるために、過去にiPhoneで撮影してGoogle Driveにアップロードしたガス料金の明細書を探そうとしました。
- iPhoneのGoogle Driveアプリで検索: 「東京ガス」や「使用量」といったキーワードで検索してみましたが、該当する画像ファイルはヒットしませんでした。
- PCのブラウザでGoogle Driveを開いて確認: PCのブラウザからGoogle Driveを開き、該当の画像ファイルを右クリックして「アプリで開く」→「Googleドキュメント」を選択してみました。すると、画像がGoogleドキュメントとして開き、その下に画像から抽出されたテキストが表示されました!
このことから、iPhoneから直接写真をアップロードしただけでは、OCR機能は自動的には働かないことが確認できました。PCのブラウザから操作することで、初めてOCR処理が行われ、画像内のテキストが検索可能になるようです。
(続報です!)
その後、PCのブラウザから画像をアップロードした際には、自動的にOCRが実行され、検索対象になることを確認しました。また、既にアップロード済みの画像でも、PCからGoogleドキュメントで開けばOCRされます。
OCRを活用したペーパーレス化の手順(おすすめ)
私が現在試行錯誤し、今後定着させようとしている手順は以下の通りです。
- iPhoneで書類を撮影:
- できるだけ明るい場所で、影が入らないように撮影します。
- 文字がはっきりと写るように、ピントをしっかり合わせます。
- 傾きなどを調整し、可能な限り綺麗に撮影することが、OCRの精度を高めるポイントです。
- Google Driveへアップロード:
- iPhoneのGoogle Driveアプリから、撮影した写真をアップロードします。
- アップロード先のフォルダは、後で整理しやすいように「レシート」「公共料金」など用途別に分けておくと便利です。
- PCのブラウザからOCR処理(初回のみ、または必要に応じて):
- Google Driveにログインし、OCRをかけたい画像ファイルを右クリックします。
- 「アプリで開く」→「Googleドキュメント」を選択します。
- 画像がGoogleドキュメントとして開き、自動的にOCR処理が行われ、画像の下に抽出されたテキストが表示されます。
- この処理を行うことで、Google Drive全体での検索対象となります。
- Tip: OCR後のGoogleドキュメントを保存する必要はありません。OCR処理が目的であれば、開いてテキストが抽出されたことを確認したら閉じてしまって大丈夫です。OCRされたテキストデータは画像ファイルに紐付けられて保存されます。
- 必要に応じてPCからアップロード:
- 最初から検索対象にしたい場合は、iPhoneからではなく、PCに画像を転送してからGoogle Driveにアップロードする方法も有効です。この場合、PCからのアップロード時にOCR処理が自動的に行われることが期待できます。
この手順を踏むことで、後から必要な情報を効率的に検索できるようになります。
セキュリティの観点からの注意点
ペーパーレス化を進める上で、情報セキュリティの専門家としていくつか注意点をお伝えします。
- Googleアカウントのセキュリティ強化:
- 二段階認証を必ず設定しましょう。万が一パスワードが漏洩しても、不正アクセスを防ぐことができます。
- 定期的にパスワードを変更し、使い回しは絶対に避けましょう。
- 保管する情報の選別:
- クレジットカード情報、銀行口座番号、マイナンバーなど、機密性の高い個人情報を含む書類を安易にクラウドに保管するのは避け、本当に必要か検討しましょう。
- もし保管する場合は、ファイル自体にパスワードを設定するなどの追加の保護策を検討してください。
- 不要な紙書類の廃棄方法:
- デジタル化したからといって、そのまま捨てるのはNGです。個人情報や機密情報が記載された紙は、シュレッダーにかけるなどして、復元できない形にしてから廃棄しましょう。
- クラウドサービスの規約確認:
- 利用しているクラウドサービス(Google Driveなど)の利用規約やプライバシーポリシーを定期的に確認し、データの取り扱いについて理解しておくことが重要です。
まとめ
レシートやパンフレットなど、増え続ける紙の書類をデータ化し、Google DriveのOCR機能を活用することで、検索性を飛躍的に高め、ペーパーレス化を推進できます。iPhoneで撮影してGoogle Driveにアップロードするだけでは自動OCRされないケースがあるため、PCからGoogleドキュメントで開くなどの一手間を加えることで、画像内のテキストも検索対象に含めることができます。
これにより、必要な情報がいつでもどこでも瞬時に見つけられるようになり、情報管理の効率が格段に向上します。同時に、セキュリティに配慮した適切な運用を行うことで、より安全で快適なデジタルライフを送ることができるでしょう。
皆さんもぜひ、この方法を試して、快適なペーパーレス生活を始めてみませんか?