【ミネアポリス鉄道散歩 #1 】ミネアポリス鉄道今昔

アメリカ合衆国ミネソタ州の最大都市ミネアポリスは、19世紀の後半から、肥沃なプレーリーで収穫された小麦の加工と、鉄道を利用した輸出で栄えました。今日では、鉄道貨物や小麦の製造業は衰退、代わって、中西部とりわけ同州の金融の拠点として、また学生数5万人を超すミネソタ大学を中心に学問の拠点として、そしてベストバイやターゲットといったアメリカを代表する大企業の拠点として、三次産業への転移が進められています。そんなミネアポリスは、地形歴史的経緯から街中に鉄道や廃線跡がみられます。
このシリーズは、そうした現役の貨物線やかつて鉄道が走っていた廃線跡を、ミネソタに留学中の筆者が散歩やサイクリングしながら散策記録です。
初回となるこの記事では、まずはミネアポリスの鉄道の歴史や現況について紹介したいと思います。なお、このシリーズはあくまでも次回からの探訪録がメインなので、歴史紹介については断片的な知識とWikipediaに基づきます。
現在
アメリカの交通というと、鉄道よりも自動車や飛行機というイメージが強いと思います。旅客輸送についてはその通りですが、貨物列車はまだまだ現役です。今日でも広大な北米大陸は網の目のように鉄道網によって結ばれ、国際船舶と同等の大きなコンテナを二段に積んだ、数十両にわたる長編成の貨物列車が頻繁に行き来しています。
こちらが、現在のミネアポリス周辺の鉄道地図。線路で網の目のように鉄道で結ばれ、ミネアポリスには線路網が集中していることがわかります。

(Andrew Andrusko, "Minnesota Operating Railroads: 7 Country Metropolitan",Minnesota Department of Transportation, 2022, https://www.dot.state.mn.us/ofrw/freight/data.html)
他方、旅客輸送では鉄道はすっかり衰退してしまいました。長距離移動を担うAmtrakは、シアトルとシカゴを結ぶEmpire Builder号を一日1往復運行するのみで、州内のDuluthやRochesterといった他の都市への旅客列車は廃止されてしまいました。このほかに、郊外のBig Lakeからミネアポリスに至る通勤用の近郊路線Northstarがありますが、平日のみわずか4往復の運行です。
Amtrakでシアトルからミネソタに行った時の乗車記はこちら
現在、ミネアポリスには貨物の拠点が二つ、旅客鉄道の拠点が二つあります。
ミネアポリスの北部に、機関車の整備なども行える広大なBNSFレールヤードと、ミネアポリスから数キロ離れた州都セントポールとの間にある、CPレールヤードです。
CPレールヤードの近くにはかつてはMidway StationというAmtrakの駅も置かれていました。
Amtrakの拠点はセントポールのUnion Depot。1面2線の島式ホームと数本の貨物線に、鉄道施設を回収したバス発着場を備える駅で、20世紀初頭に作られた荘厳な駅舎が特徴です。
Northstarの発着駅は、野球チーム、ミネソタツインズの拠点があるターゲットフィールドの横にある1面2線の島式ホームと貨物用の通過線1本を備えた簡易なもの。

19世紀の鉄道
ミネアポリスは鉄道によって発展してきました。もともと木材の出荷から始まったミネアポリスの産業は、プレーリーでの小麦の栽培や木材の減少とともに小麦の製粉にシフトしていきます。肥沃なプレーリーの土壌に加えて、ミシシッピ川の河畔に位置し、セントアンソニーの滝によって得られる水力が製粉産業を可能にしました。天然に恵まれた場所にあったわけです。また、ミシシッピ川で南部まで繋がり、19世紀の末にはすでに高層ビルが林立していた大都市シカゴへも近く、州内北部の都市Duluthから五大湖と運河を経てニューヨークなどの東海岸の都市にもつながっていたことも幸いしたのではないでしょうか。
滝の影響で船が入ってくることができなかったミネアポリスでは19世紀の末から鉄道が主要な交通モードとなり、街の中心から各地に線路が敷かれました。

こちらの写真は、1912年に街の中心からミシシッピ川を撮影したものです。手前にはたくさんの貨物列車の貨車を見ることができます。ここに写る鉄道は今日ではほぼ全て剥がされてビルに変わっていますが、奥にある製粉の建物は現在でも残っています
19世紀半ば、入植・発展に伴い、州内の各地に伸びる鉄道網も建設され、また、1869年にはミルウォーキー鉄道がシカゴがまでの線路を完成させます。1893年にはグレートノーザン鉄道が西海岸の主要都市シアトルへの貨物列車の運行を開始しました。
旅客鉄道では、グレートノーザン鉄道とミルウォーキー鉄道それぞれがダウンタウンに巨大な駅を所有し、東西南北への足となっていました。今日でもミルウォーキー鉄道の駅はホテル、イベント会場として残っていますが、グレートノーザンの駅は跡形もありません(こちらもそのうち記事にします)。

ミネアポリス/セントポールからシカゴへは各社が激しく競合する路線でした。有名なミルウォーキー鉄道のTwin Cities Hiawathaの他に、ステンレスの流線型がかっこいいバーリントン鉄道のTwin Cities Zephyr号、蒸気機関車のシカゴ・ノースウェスタン鉄道Twin Cities 400、グレートノーザン鉄道のエンパイアビルダー号などがミネソタとシカゴを結びました。

グレートノーザン鉄道は日本郵船とも提携し、東はシカゴ、西は横浜や香港がつながりました。
しかし、旅客鉄道は自動車の普及と航空機との競合で下火になります。1971年に政府出資のAmtrak(全米鉄道旅客公社)が設立されると、こうした旅客列車は廃止されます。ミネアポリスにふたつあった駅も廃止されました。旅客営業は、ミネアポリス/セントポールの中間にあったMidway Stationに統合されたのち、リニューアルされたセントポールのUnion Depotに移転して今日に至ります。

ストリートカー
これらの鉄道の他に、現在ミネアポリス/セントポールには二つのLRTが走っています。ミネアポリスから空港を経てMall of Americaという超巨大屋内モールを結ぶBlue Lineと、ミネアポリスとセントポールを結ぶGreen Lineです。かつては両都市には多くの路面電車やケーブルカーが走っており、セントポールにはモノレールまでありました。路面電車や乗合自動車を担ったTCRTは西部の湖水地方でのリゾート開発を行うなど積極的な展開を行いましたが、自動車の普及とともに20世紀半ばには全て廃止されました。21世紀に入ってから、LRTが再整備され、またミネアポリス南北に広がる郊外へは路線バス網と並んで複数のBRTが整備されています。

【Amtrak 鉄道旅】Empire Builderで行くシアトル〜ミネアポリス38時間の旅(設備の紹介編)

はじめに
Amtrakの8番9番列車、Empire Builder号は、西海岸の主要都市シアトルとポートランドから中西部の大都市シカゴまでを46時間かけて走破する、アメリカ有数の長大路線です。途中のSpokaneでシアトル発着とポートランド発着の列車の併結・解結を行います。
2024年3月、大学の春休みを利用して、この列車のCoach Class(座席車)に38時間乗車し、シアトルからミネアポリス/セントポールまで移動してきました。Amtrakの乗車を考えている方、Empire Builderを利用してみたい方のためにその時の経験をもとに車内設備や見どころを紹介します!
見どころ
詳しい乗車期はこちらをごらんください!
初日は美しい内海に沿って走ったのち、険しいロッキー山脈に挑みます。
二日目は山脈越えからスタート、山脈を抜けるとグレートプレーンズ、プレーリーの見渡すばかりの平原を駆け抜けます。途中にはグレイシャー国立公園や先住民のリザベーションがあります。
三日目はミネアポリス/セントポール周辺でミシシッピ川と並走し、かつて製粉で栄えた旧市街を見ることができます。この先は、乗ったことはありませんが、市街地も点在する区間になり、主要都市ミルウォーキーを経て、アメリカ屈指の都市にして摩天楼の故郷、シカゴに至ります。
大自然と、広大な農畜産業、超長編成の貨物列車の通過待ちなどアメリカの険しい自然と産業のパワーを同時に感じられる路線です!

予約と乗車
Amtrakの公式ページから予約できます。日本の電話番号とカードで大丈夫です。
日本とは異なり、特急券と乗車券という考え方はないのでひとつの予約で大丈夫です。
また、紙の切符も不要です。予約完了後に送られるメールか、アプリに表示されるQRコードが切符になります。乗車前、乗車後に見せられるように準備しておきましょう。
駅には出発の20分から30分前にはついているようにしましょう。
座席は基本的に自由席なので早くから並んでいればいい席に座れます。今回は、相席になることはなかったみたいですが…もし遅くなっても、長距離移動なら途中で降りる人がいるので窓側には座れます。
切符の値段
値段は日によって大きく前後するので注意してください。同じ日程でも安い時で70ドル高い時で200ドルぐらいでした(学割利用)。買った時は140ドルほどでしたかね。
24歳までの学生は15%オフで予約できます。ホームページでのリンクがわかりづらいのでここに貼っておきます
学生証の提示は予約・乗車とも求められませんでしたが、学生IDが必要と書いてあります。多分日本の学生証でも大丈夫です。
先の駅まで買った方が安い場合があります!途中ミネアポリス/セントポールで下車する予定でしたが、終着シカゴまでの方が安かったので、シカゴまで購入しました。制度上は問題ないみたいです。乗車後に車内検札があるので、その際に車掌さんに申し出て乗車区間を変更してもらいました。
座席
今回もCoach Class(座席車)を利用しました。38時間、3日がかりの旅なので結構しんどいです。
座席は、日本と比べるとかなり大きくて快適、新幹線のグリーン車ぐらいの余裕があります(乗ったことないけど)。
背もたれが大きいので前後に人がいるかは分からないぐらいです。
相席になっても隣の人と肩が当たるということはなく、シートピッチもゆったりです。
コンセントは窓側のみ二口ありかなり速いです。今回は相席するほど混むことはありませんでしたが、長時間乗車では窓側が吉ですね。
基本的に、窓枠と座席は合わせてないのでハズレ席もあります。
レッグレストとフットレストはあり、ブランケットなどはありません。
荷物は座席上にラック、階下に収納スペースがあり、預け入れもできます。スペースに余裕があるので足元においても余裕です。
快適な座席ですが3日となると正直きついですね、1泊がちょうどいいかな。

設備
トイレ、更衣スペースは1階にあります。座席利用の場合シャワーはありません(これが辛い)。給水機はありますが、あまり美味しくないです、綺麗なのか怪しかったので飲みませんでした。

シアトル発車時点ではカフェカーはありませんが、Spokaneでポートランドから来る車両に併結した後使えるようになります(午前0時ごろ)。シアトル発初日は食事は持ち込んだほうがいいかもしれません。
カフェカーの2階はラウンジスペース、開放感のある車両から景色を眺めることができます。この時はなぜかかなり寒かった…
カフェは1階にあり、スナック、飲料、アルコールのほか、レンチンで提供できる軽食を購入できます。移動式の車内販売はありません。
飲食物の持ち込みは自由ですがアルコールは持ち込めません。
ダイニングカーもあり、個室の乗客には食事サービスがつきますが、座席車でも追加料金で使えるみたいです(詳細はよくわからなかった)

インターネット
Empire Builder号ではWi-Fiサービスはありませんでした。電波は入ったり入らなかったりなので、当てにしないほうがいいです。特に初日の夜、ロッキー山脈は全然入りません。事前に本や動画、音楽などのオンラインコンテンツはダウンロードしておくことをお勧めします。
治安
治安はいいと思います。今回の旅でも女性の一人利用も多かったです。途中駅でタバコやストレッチのために車外にでられますが、みんな荷物は置いたまま出て行きます。Amtrakは価格面でも時間面でもバスや飛行機に対して競争力が低く、鉄道駅しかないというような沿線の小規模な街に行くお客さんと、愛好家の利用が多いからだと思います。とはいえ、問題があっても責任は取れません、気は抜かないでください。
注意点
日本の鉄道の定時性は期待してはいけません。以前逆区間で予約していたことがありますが2日前に列車が突然キャンセルされました。ダイヤに余裕があるので大幅な遅れは少ないですが、たまにものすごく遅れます、余裕を持ったスケジューリングを。

最後に
ネガティブなことも書きましたが、Empire Builder号はアメリカの豊かな自然と産業のパワーを同時に感じられる最高の路線です!いままで乗ったどの区間よりも景色が素晴らしかったです。日本人にとっては、かつてグレートノーザン鉄道が、日本郵船と提携して横浜ーシカゴを結んでいたという由緒もある路線です。途中に降りられるような主要駅がなく、最短でもシアトル~ミネアポリス/セントポール38時間という超長旅になってしまうのが難点ですが、時間に余裕があり体力的に自信のある方はぜひ挑戦してみてください~
【アムトラック 鉄道旅】38時間!ロッキー山脈を駆けるEmpire Builder シアトル〜ミネアポリスの旅(乗車記編)

Amtrakの8番9番列車Empire Builder号は、西海岸の主要都市シアトルとポートランドから中西部の大都市シカゴまでを46時間かけて走破する、アメリカ有数の長大路線です。
2024年3月、大学の春休みを利用して、この列車のCoach Class(座席車)に乗車し、シアトルからミネアポリス/セントポールまで移動してきました!この時の様子をお届けします。
シアトルから中西部の主要都市ミネアポリス/セントポールへの所要時間はなんと38時間!
(この記事は乗車記になります!見どころやサービスは、こちらの紹介ページをご覧ください)
乗車
シアトルの主要駅はキングストリートステーション、20世紀の頭に建てられた風格ある駅舎です。建物が二つに分かれており、真ん中の低くなったところにホームがあります。どちらに入ればいいのか戸惑いましたが、海側の建物(写真の右側)で正解だったみたい。

脇の階段からホームの高さまで下りたところが入り口で、中に入るとこんな感じ、

Amtrakのターミナル駅としては比較的こじんまりしたサイズで、案内の人も少なめでした。ちょうど、バスの出発時刻とも重なって賑わっていました。建物に入る時に警備の人に、「バスの乗客ですか」と聞かれるぐらいにはEmpire Builderの乗客は少なめです。過去の経験では、Amtrakは発車30分前ぐらいから目的地別に列ができるのですが、20分前についた時にはまとまった列も見られずのんびりとした感じです。
シアトルやポートランドからワシントン州の北部の都市ヴァンクーバー(アメリカの方)を結ぶAmtrak Cascadeも止まっていました、レトロな外観が可愛い。

乗車開始の時間は記録していませんが発車の10分前ぐらいでしょうか。個室のお客さんが案内されて、最後が座席車(Coach Class)です。普通は目的地ごとにグループに分けられて違う車両が割り当てられるのですが、なんとこのEmpire Builderには座席車両が1両しかありませんでした。始発駅からの乗車は5分前を過ぎると乗車が締め切られることがあるので注意です。
海沿いを走る
シアトルを定刻より1分早く発車、セントポールまで37.5時間の旅が始まりました。この記事もブログも長くなりますがお付き合いください。
列車はシアトルの地下を抜けてエリオット湾に出ます。スタバの1号店が有名なパイクプレイスマーケットは地下で通りすぎてしまいました。しばらく沿岸に沿って走ります。基本的には進行方向左側、海側、カナダ側の席が良さそうです。
後ろには途中のSpokaneでポートランドから来た車両を併結するため、この区間では後面展望を楽しめます。カフェカーはPortland発の方に併結されているため、初日はカフェ、ラウンジは使用できません。初日の夕飯は持ち込みを推奨します。(隣のダイニングカーでも食べられるみたいですが、基本は個室の乗客のサービスなので詳細はわかりません。)

一旦内陸に入ります。軍事施設のようなものを発見、軍事車両も鉄道で運ぶのでしょう。(…写真は念の為割愛します…)
古い鉄橋を渡り再び沿岸にでます。右手にはハイラムMチッテンデン水門(?)、ダムみたいです。この先はかなり風光明媚、海(といっても入江ですが)スレスレを走ります。

難破船のようなものが朽ち果てている。

ロッキー山脈へ
大きく右にカーブして最初の停車駅Everett駅に入ります。カーブ手前右側に旧駅のようなものが見えた気がしますが、現役の駅舎の方が古そうです。多数の乗車があるので席を空けるようにとアナウンスが入りましたが、隣には誰も来ず。相席はあまりなさそうです。乗車率は窓側が全て埋まる5割ほど。
Amtrakでは目的地を書いた紙切れを座席の上に挟むのですが、これを見る限り、ワシントン州内完結の短距離客と、ミネソタやシカゴまで行く超長距離客の二極化が激しいようです。
海を離れると、日が暮れるにつれて山に入っていきます。ここまで同じ線路を共有していた近距離通勤列車Sounderともお別れです。
Harvey Field飛行場。

山がちになるにつれて陽はいよいよ傾き、車窓は暗くなっていきます。鳥が群れをなして飛ぶのもなにか寂しさを感じさせます。穀物畑の先に見える街の明かりが行き先を照らします。
トイレに行ってみました。トイレは階下にあります。着替えスペースの壁やオレンジのアクセントがレトロです。一階席は結構混んでいます。2階席は景色はいいですが狭い階段を荷物を持って上がらなければいけないので需要はありそうです。8席しかないのに予約段階で指定しなければいけないので、混雑は運次第。

この辺り、街と街の間は基本的に圏外になります。また、充電コンセントは窓側についているので、長旅では窓側席を取りたいところ。外が完全に暗くなってからが険しい山なのでしょう。列車は左右に大きく揺れます。Leavenworthにつくと久々の街あかりにほっとします。
この辺りのお家はかなり電飾に手を入れているみたいです。しばらく電波が入る区間です。
Wenatchee、コロンビア川の両側に町が広がり、川に映る夜景が綺麗です。地図を見る限り対岸に渡る橋は一つしかないようですが不便ではないのでしょうか…数人が下車しほぼ同数が乗車、相変わらず5割程度の乗車率。この駅を出ると車内は減灯し就寝モードになります。時刻はまだ21時、青い通路等のみを残して消灯。読書等はまだ使えます。しばらくはコロンビア川と並走、車内が暗くなってからの方が外の街あかりは綺麗です。ロックアイランドの街(駅はない)を過ぎたあたりで立派な水門と工場をみました。

次のEphrata到着放送が、「おやすみ放送」。22時から7時はQuiet Timeになるということで「Good Evening」の挨拶とともに放送での案内を終了します。この先、Sponkaneで1時間ほどの停車があり、後ろにPortland発のEmpire Builderが連結されるはずですが、早々寝てしまいまいました。
目が覚めると外はすでに明るくなりかけており、銀世界!。行方向左の山並みが朝日を浴びて朱色に染まります。腕時計は5時半を指していましたが、すでに山岳部標準時間に切り替わっているので6時半です。

白身魚のような駅でしばしの停車

ロッキー越えはいよいよ佳境です。列車は川の上に平地を探すようにして走ります。強烈な朝日を浴びて川の水面からは湯気が上るのが美しい。朝の長い影が雪に白黒のコントラストをなすのも素敵です。おもむろにカメラを取り出す私。

並行する道路の交通量はまばらになり、険しい自然を悠然と駆ける列車には頼もしさを感じます。

シアトルから乗った乗客はほとんどが降りてしまい、乗車率は4割程度、途中から乗ってくる客の服装もすっかり山男、山女といった出立ち。West Glacierから休止駅East Glacierの間はGlacier国立公園。人家もまばらなEssexでスキーヤーが一人下車、雪に閉ざされた国立公園に入っていくのでしょうか。
大平原
East Glaccier Parkを過ぎるあたりで景色はロッキー山脈からグレートプレーンズの大平原へと変化します。見渡す限りの大平原。この辺りは先住民のリザベーションになっているようです。
リザベーションのどまんなか、Browningは意外と大きな町に見えますが、人口はわずか1000人、感覚が麻痺してきました。だだっぴろい平原に突然家がひしめき合っているのが可愛い。
列車は再び平原へ。とはいえ鉄道はGreat Northenの系譜を引く大幹線、貨物列車は多いですね。雪原は山の向こう、カナダまで続きます。二日目はずっとこんな感じの景色です。

コーンや小麦の栽培、放牧のほか、風力発電に使われているらしく、石油も埋まっているようです。街の近くを中心に巨大な穀物の貯蔵施設があり、長編成の貨物列車が入れるようになっています。

Shlby、Harveと中規模の町が続きます。いずれも車外に降りることができ、ホームでタバコを吸う人も多め。階下の席はガラガラになっていました。乗車率は依然4割ほど、気づくと女性の一人利用も多いですね。Amtrakは治安いいような気がします。価格面でバスはもちろん飛行機にも負けることが珍しくないので…所々、駅舎や保存車両にGreat Northernの文字がみられます。Great Northern鉄道といえば、かつては日本郵船と提携してシカゴーシアトルー横浜を結んだ路線、歴史を感じます。

広大な平原は、グレートプレーンズからプレーリーと呼ばれるエリアに入りますが(境界はよくわらなかったです)、しばらく続きます。Harveから先は特に小麦の貯蔵施設が多い。貨物列車を2本連続で退避することも。雪はだいぶ薄くなりました。この辺り、意外にも携帯の電波は入る。
結局大平原の景色を見ながら日が暮れてしまいました。早朝の山岳区間とは打って変わって非常に変化の少ない車窓でした。すでに24時間列車に乗り続けているので、腰に若干の痛みを覚えます。それよりシャワーを丸二日以上浴びていないのが心理的にきつい…(個室客にはシャワーあります)。

20時30分ごろ、何もない単線区間で長時間停車。ブレーキ試験のような動きを見せたので不調を疑いましたが20分ほどしてなにもなかったかのように運転再開。貨物列車による信号停車でしょうか。しばらく徐行したのち、急にスピードアップ。最高速度はサンダーバードもびっくりの130km/h!流石の標準軌といえど車内は小刻みに振動します。これがこの日のクライマックス。遅れを取り戻すのかと思いきや…
Minotには10分も早着しました。ダイヤ管理どうなってんだろ…ここら辺で時刻は中部標準時に切り替わります。放送ではいちいち案内してくれないので注意。この駅で1時間も停車します。なんのために急いだのやら…この間に貨物列車2本に追い抜かれました。追い抜きは初ですが、そもそもアメリカでは貨物会社の線路を借りて旅客列車が走っているので、貨物の方が主役です。私は退屈して寝てしまいました。
ところで、Amtrakの座席は体感としては、座席車のなかではかなり快適な部類だと思っています。特に日本の夜行バスに慣れている身としては長時間乗車は全く苦になりません。相席にならなければ、2席使ってレッグレスとをあげれば、あぐらで座ることも、丸くなって寝ることもできるスペースです。さすがアメリカ、何もかも大きい。
さて、目が覚めるとすでに時刻は7時半、外は明るく、車窓は見慣れた住宅や工場が並ぶ景色。すでにミネソタ州に入っています。右手には大河ミシシッピ川が時折顔を見せます。一駅手前セントクラウドのあたりから並走しているはずですが寝ていて気づきませんでした。
定刻通り運転している模様。ミネアポリスが近づくにつれて大規模な貨物列車の施設も多くなり必然徐行も増えます。遠くに見えるミネアポリスダウンタウンは久々に見る都会といった感じ。この路線、超長距離ながらシアトルからミネアポリスの間には都市と言える都市はひとつもなく、高層ビルを見るのも2日ぶりです。(写真は別の時に撮ったものですが、ここを通ります)

とはいえミネアポリスには駅はないので素通り。デルタ線付近で右手には、かつてこちらも西海岸とシカゴを結んだMilwaukee Roadの保存車両が留置されています

少し行くと右手にはミネソタ大学の巨大なスポーツ施設群。
貨物施設が続きます。こちらはかつてのMidway 駅。セントポールの駅が再オープンするまでは、ここが、ミネアポリス/セントポールの旅客列車の駅でした。

ミシシッピ川と並走するようになると、セントポールユニオンデポットはすぐです。
ほぼ定刻通りセントポールに到着。冬晴れの空のもとAmtrakを真ん中にして南にミシシッピ、北にはダウンタウンが映えます。

ここで多くのお客さんがおりますが、それ以上のお客さんが乗ってくるようです。ホームの入り口には長蛇の列が。駅ではイベントかなにかあるのでしょうか、警備の人が数多く立っていますが、制服はHomeland Security…謎です。
列車は30分ほど停車したのちさらに東を目指します。私はここからミネアポリスに戻るので、駅前の路面電車にのりました。所要時間は40分ほど。わざわざ鉄道で通り過ぎた街に戻るので、ちょっと馬鹿馬鹿しいような気もします…
Empire Builderの予約方法や設備については次の記事でご紹介します!Empire Builderを使った旅を計画している方はこちらもご覧ください!
世界遺産のペナン島へ!バターワースから船で行く方法 コロナで激変!?

いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます
マレーシアのペナン島は、美しいビーチや歴史的な街並みが残る世界遺産のジョージタウンで有名です。先日、このジョージタウンにクアラルンプールから鉄道と船を乗り継いで行ってきました!その際、ネット上の情報やガイドブックとだいぶ違っていたのでお伝えします!(全ての情報は2023年5月中旬に実際に訪問した情報に基づいており、変更等ある場合があります)
変更点

まずは結論から。ペナン島への主なアクセスは、対岸のバターワースから船を使うか、飛行機でペナン空港にアクセスするかの2通りです。今回、前者の手段で行ってみて、コロナ以前と比べて大きな変更点が4つありました。
以下で具体的に説明していきます。前提として、どうやらコロナ後で需要が落ち込んでいるため、ランカウイ島行きの船2隻を臨時にペナン島〜バターワース間に投入し、2隻を交代制で使っているようで、そのために臨時ダイヤが組まれているようです。
- 運行頻度が激減
運行間隔が大幅に変更になっています。一部のwebサイトなどで、ペナン島とバターワースを結ぶフェリーは早朝から深夜まで30分間隔で運行などと書いてあります。しかし、2023年5月現在、30~1時間半の間隔で6時から21時までとなっています。上に貼ってあるのが訪問時の時刻表です。平日の早朝・夕方は本数が多めですが、観光に便利な日中の便が非常に少ないので要注意です! - ペナン島ジョージタウン側の船着場が変更
ペナン島の船着場が国際フェリーターミナルに変更になっています。大型の客船やランカウイ島に行くフェリーが発着していたターミナルです。ペナン島の北東の角に位置し、以前の位置と比べると、500mほど北に移りました。最新の「地球の歩き方」(23~24年)にはなぜか反映されていないので要注意です!移動後のターミナルは趣があり観光にも便利な位置なのでいい変化かなと思います - 所要時間が短くなっている
従来、フェリーの所要時間は30分でした。しかし、船舶が変更になり高速化したため、所要時間は15分を切っています。 - そもそもフェリーではない
ペナン島とバターワースを結ぶ船は、ガイドブックも現地の案内も「フェリー(ferry)」として案内しています。定義上フェリーとは車両を積み込める船のことなのですが、船舶が変わって車両を積み込めない船に変わっているので、これはフェリーではありません。観光客にとって大きな違いはありませんが、車や自転車を持ち込もうと考えている方は注意して、最新の情報を確認してください。
ペナン島フェリーについて

最後に、ペナン島へ船でアクセスしようと考えている方向けに一般的な情報をご紹介します。
ペナン島フェリーはバターワースとジョージタウンを結ぶ連絡船です。バターワースからペナン島に渡る場合の運賃は1.2リンギット(約36円)と激安です。さらに、なんと帰りのペナン島発バターワース行きは無料です。
フェリーが発着するバターワースまでは、マレーシアの首都クアラルンプールから高速鉄道が伸びているほか、高速バスも発着しています。また、バターワースからはタイ国境の街パダンブサールに向けて普通列車が走っており、タイ国鉄に乗り換えてハジャイやバンコクを目指すこともできます。コロナ以前に走っていたクアラルンプール発バターワース経由パダンブサール行きの特急列車は廃止され、バターワースを経由しないことになりました。そのため、バターワースからパダンブサールやタイに行く特急はなくなってしまったので注意が必要です。
バターワースのフェリーターミナルはマレーシア国鉄のバターワース駅、高速バスが集まるバターワースセントラルと繋がっており、雨でも濡れずに移動することができます。ホテルまで歩こうとしたところ、徒歩での出入り口は3つの施設のうちバターワース駅(鉄道)にしかないようでした。バターワースセントラル内に複数の飲食店が入っているため時間を潰すこともできます。確認できた飲食店は、ケンタッキーフライドチキン、サブウェイ、4フィンガーズと民族料理のお店の4軒でした。カジュアルに使える店が多いのがいいですね。
バターワース側のフェリーターミナルには出発15分前までに待合室に来るようにとの案内がありました。実際に受付の締切時刻があるのかは不明です。ペナン島側からは無料で乗れるため受付などは特になく桟橋前に列を作るのですが、こちらは時間によってはかなり混雑するようです。全てのお客さんが乗り切らないことがあるのかはわかりませんでしたが、立席でもお客さんを乗せるようなので、基本的には乗れると思います。
海外旅行 複数カ国・トランジットに最強!TRAVeSIMを使ってみた【自腹レビュー】

こんにちは!
海外旅行中のネット環境、みなさんどうされていますか?手軽なのは空港でWi-Fiを借りることですがそれだと高いし、かといって現地で契約するのも不安…と思ったことはないですか?
今回、東南アジア5カ国にまたがる旅行をするにあたり、複数カ国で使えて日本で設定できる「TRAVeSIM」を使ってみたので、レビューしたいと思います(一切、提供、広告はありません!できるだけ純粋な感想をお届けします)。
結論から言って、東南アジア4ヵ国の周遊旅行(+日本)で使えました!以下の三つのどれかに当てはまる人には「最強のSIMカード」と断言します
- 比較的短期間で複数カ国を旅行する人
- 長時間トランジットがあり一旦空港を出る人
- 現地でSIMカードを買う自信がない人
では、ここから具体的に解説していきます!
「TRAVeSIM」とは?

TRAVeSIMとは、複数の国で通信ができるSIMカードで、地域、期間、通信量によって二つのプランがあります
一つ目はアジア用で、期間は短め。二つ目はグローバル用で、期間が長めになって値段も高くなっています。どちらもデータ量は6GBです。
もう一つの特徴はeSIMを採用していることです。普通、スマートフォンで通信するときは小さいカードを本体に差し込んで電波をキャッチできるようにしています。お手持ちのスマートフォンにも基本はこのSIMカードと呼ばれるカードが入っているはずです。しかし、TRAVeSIMはeSIMという形式なので、物理的なカードは一切不要、インターネットからダウンロードすることで使えるようになります
そのため、申し込んでからカードの到着を待つ必要もないし、出発前にカードを差し替えて、帰国したらまた元のカードにするという手間も必要ないのです。今使っているSIMカードはそのままで大丈夫です!
少し細かい話をすると、こちらはタイの通信回線を利用したサービスのようです。従来、複数カ国を回る人には必ずと言っていいいほどお勧めされていたのが、タイのAISという通信会社のSIM2FLYというサービスですAmazonでカードを買うと複数の国で使えるんですよね。でも、タイでの利用には制限がありました。なぜかというと、実はこれ、タイの人が海外旅行に行く時のためのサービスだったからです。SIM2Flyもいいのですがタイで使えない、SIMカードが届くのに時間がかかるといったデメリットがありました。
で、今回のTRAVeSIMは、その外国人用バージョンだと思っていただければ大丈夫です。タイでも普通に使えるようになり、eSIMになったことで、申し込み後すぐに使えるようになりました。
申し込み手続きは全て日本語で案内されます(一部英語で申し込む箇所がありますが、日本語で案内してくれます)。使い方も日本語で画像付きの説明があるのですごくわかりやすかったです。海外サービス特有の不自然な表現も変なフォントもなかったので日本人スタッフが担当しているのではないでしょうか。今回利用しませんでしたが24時間対応の日本語の電話サポートもあるらしく安心ですね
使い方

次に使い方や申し込みの方法をご紹介します。といっても細かい設定の方法はここでは紹介しません。なぜかというと、ホームページとメールで送られてくる案内がわかりやすくて、わざわざここで説明する必要がないからです。
まず、ご利用の端末がでTRAVeSIMが使えるか確認しましょう。ポイントは「eSIM対応かどうか」と「SIMロックが解除されているかどうか」です。前者はホームページで確認できます。iPhomeの場合、XS以降は対応しているはずです。後者は、携帯ショップでスマホを買っている場合、ロックがかかっているので解除して、他の会社のSIMカードを使えるようにする必要があります。極端に古い端末でない限り無料で解除できます。
申し込みは公式サイト(https://www.travesim.com/)から行います。まず、利用予定国を入力すると、最適なプランが表示されます(もっともプランは二つしかありませんが)。プランを決めて設定を進めます。パスポート番号の入力は不要なのが手軽でいいですね。
利用期間はアジア版で8日間です。時差もあるのにどうやって8日間をカウントするかというと、最初に通信を開始してから192時間フルで使えるようです。今回の旅行は、出発から8日後の20時に成田に帰ってくる予定だったので、出発日の19時に日本国内で利用を開始し、回線がつながっていることを確認しました。基本的には、帰りのフライトの出発時間から逆算して利用開始時間を決めればいいと思います。ただし、フライトの出発が遅れる可能性を見越して、余裕を持たせられるといいですね。
通信を開始するには、申し込み後にメールで送られてくるQRコードを設定アプリかで読み込むだけです。この作業にはインターネットが必要なので、国内で普段使っているネット環境や、空港などのフリーWi-Fiがあるところでやりましょう。
国が変わった時に追加で必要な設定はありません、自動でその国に対応する回線に切り替わります。なおiPhoneの場合、通信量は「設定」アプリから確認できます
ここまでご紹介したことと一部重複しますが、ここから、メリットデメリットをお伝えします。
メリット

- 複数カ国周れる
繰り返しますが最大の特徴です。実際にシンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、日本で使えました!複数カ国をまたぐ旅行や、長時間のトランジットがあって空港から出たいときに最強です。例えばタイからカンボジアやラオスに行く、シンガポールからマレーシアにいく、インドネシアに行くけどクアラルンプールで長時間の乗り継ぎがあるから観光したいそういう旅行に最適ですし、こういったSIMがあること自体、旅行の選択肢が広がるのではないでしょうか。 - 日本で設定できる
日本語でサポートを受けられたり、日本でチェックして繋がるか確認できるのも大きなメリットです。ネットで買ったSIMを現地でスマホに入れてみて繋がらなかったら絶望ですよね(実際にそういう日本人ご夫婦にベトナムで遭遇しました)。到着後にSIMカードを買えば設定もやってくれますが、英語で交渉できないと、最初に勧められるのはかなり大袈裟なプランなことが多いです。また、現地で購入する場合、SIMカードの購入は入国後です。空港によってはイミグレ通過までにかなり時間がかかったり、空港Wi-Fiも使えなかったりするので、イミグレ通過前から使えるのも便利です。 - eSIM
eSIMなのですぐに使えます。Amazonで売っている多国対応のSIMカードは配送に1週間近くかかったりしますが、TRAVeSIMは直前でも申し込めるので、ギリギリまで準備しない私のような人間でも使えました。また、SIMカードを入れ替える必要がないため、SIMカードを取り出すためのSIMピンを持ち運ぶ必要もないですし、現地で取り出した小さい小さい日本のSIMカードを無くさないように注意して持ち運ぶ必要もありません。ただし、対応していない機種も多いので注意が必要です。
デメリット
- 接続の安定性
正直に言って、接続は「思ったより安定」してます。しかし、時たまものすごく遅くなったり繋がらなくなったりします。そういうときは、一旦フライトモードをオンにして通信を切ると復活します。全く繋がらないということは、タイのど田舎を鉄道で抜けているとき以外ありませんでした(多分圏外)。 - 1カ国しかいかない場合は割高かも
東南アジアなどに旅行する場合、現地での購入と比べると正直言って割高です。今回、通信量が足りなくなりそうだったため、タイで現地のSIMカードを購入しました。1週間使い放題で800円ほどだったので、8日間6GBしか使えなくて2000円近くするTRAVeSIMはだいぶ割高といえます - タイ人扱いされる
これは少し説明が必要です(笑)。先ほど説明した通り、TRAVeSIMはタイの通信会社のサービスを利用します。なのでタイのAISという会社の回線を使い、タイ国外ではAISと提携する会社の回線を借りてタイを経由して通信をしていることになっています。すると、様々なWebサービスでタイ人の利用だと判断されてしまうんですね。例えば検査の言語は「タイ語に限定」が選べるようになっています。Booking.comやagodaの料金はタイバーツで表示され、電話番号の入力もデフォルトがタイの国番号になっていたりします。この辺りは全部設定を変える必要があるのでちょっと面倒です。 - 6GBだと少なすぎるかも
先ほどお伝えした通りですが補足します。海外旅行だと右も左もわからずついつい調べ物をしてしまう…というのもありますが、利用量の内訳を見ると、「メモ」「instagram」「音楽」が結構使ってるんですよね。音楽はダウンロードしておきましょう。インスタグラムはアプリではなくブラウザを使った方が節約できます。メモは旅行直前に持ち出したい書類を大量にスキャンしたのですが、そのデータをクラウドに送信するのにモバイルデータを使ってしまったようです。大事なことは、設定から、モバイル通信をして欲しくないアプリはオフにすることです!(iPhoneなら、設定→モバイル通信→下の方にアプリごとにスイッチを切り替えられる) - eSIMなので使えないスマホもある
最後に大事な話です。eSIMは全てのスマホで使えるわけではありません。iPhoneならXS以降は全ての機種で対応しています。Androidの場合、安い端末を中心に使えないものも多いです。TRAVeSIMのホームページで調べられるので確認しましょう。同時に、スマホを携帯ショップで買っている場合、「SIMロック」が解除されていないと使えません。ロック解除は携帯ショップで無料でやってくれますので必ず事前に確認しましょう(iPhone6以前など極端に古い端末では解除できません)。
おすすめできるか
最後に繰り返しになりますが、お勧めできるのは
- 複数カ国をまたぐ旅行をする人
- 長時間のトランジットで空港を出る人
- 現地でSIMカードを買う自信がない人
です!事前に日本で準備するSIMとしては現状ベストなのではないでしょうか。ただし、1カ国だけなら現地で買った方が圧倒的に安くなりますし、全てのスマホで使えるわけではないので注意が必要ですね。
自分に合ったSIMカードを見つけて良い旅をお過ごしください
サンライズ出雲・瀬戸が満席!裏技的きっぷの取り方まとめ 10時打ち?キャンセル待ち?

こんにちは!
私はこれまで10回以上サンライズで移動してきましたが、最近満席になることが増えた気がします。
気軽に乗れなくなったのは悲しいことですが、最後の寝台列車が末長く残っていくためにも、多くの人に乗り続けてもらいたいのも事実です。
そこで、この記事では、サンライズの切符の「裏技的」な取り方をいくつか紹介したいと思います。
- 1.10時打ち(大阪→東京は要注意!)
- 2.岡山で出雲と瀬戸を移動する(ノビノビ座席限定)
- 3.キャンセル落ちを狙う
- 4.乗りたい設備が取れないときは違う設備を仮押さえ
- 5.ツアー商品で買う
- 記事のまとめ
※普通の取り方(E4589や窓口での買い方)は多くのブログで紹介しているので、ここでは紹介しません
1.10時打ち(大阪→東京は要注意!)

JRの人気の高い切符をゲットする上でもっともスタンダード(かつ古典的)な方法が10時打ちです
JRの切符は1ヶ月前の10時に一斉に発売されます。そのため、発売の少し前にみどりの窓口に行き、「10時に発売される1ヶ月後のサンライズをお願いします」と伝えると、10時と同時に取ってくれるというのが10時打ちです。
ただし、10時より前に申し込みを受け付けてくれるかは、駅によっても担当の方によっても異なります。原則として10時から受付を開始することになっているので、断られても怒ってはいけません。
ネット上には10時打ちおすすめ駅など書いてありますが、そういった駅は混雑するので繁忙期の切符を取る時は避けた方がいいです。お近くの窓口が2つ以上ある駅に行ってみましょう。
…とここまでは一般的なお話。ここからは他のサイトにはあまり書いていないサンライズならではの注意事項です。
サンライズは寝台列車なので夜通し走ります。つまり走行中に日付が変わります。日付が変わった後で止まる駅から乗るとき、その切符の発売日には注意が必要です。
例えば、大阪駅から東京駅に行く時、サンライズは大阪駅を0時33分に発車します。日付が変わってから乗ることになるのです。この切符はいつ発売されるのでしょうか?
実はJRの切符は発車日を基準として1ヶ月前に発売されることになっています。つまり大阪から乗る日の「1ヶ月前」の「さらに1日前」に発売されるのです。
具体例を挙げましょう。2月10日の0:33に大阪駅を出るサンライズ出雲に乗ろうと思った時、その切符の発売日は「1ヶ月前(1/10)」の「さらに1日前」で1/9になるのです。
注意が必要な「日付が変わってから停車する駅」は
【下り】静岡、浜松、姫路 以西
【上り】三ノ宮、大阪、静岡 以東
です!神戸(三ノ宮)や大阪から東京に帰る時は要注意ですね
2.岡山で出雲と瀬戸を移動する(ノビノビ座席限定)

「ノビノビ座席」で岡山より西に行きたい場合におすすめの方法です。「東京から米子に行きたいけど、出雲は満席」といった時にしばしば有効です。
ノビノビ座席とは、いわゆる雑魚寝で、硬い絨毯の上で寝るイメージの座席です。快適性が低い代わりに非常に安いことが特徴です。
そのため、下り列車の場合、姫路や岡山で降りる人や、これらの駅で新幹線に乗り換えて広島や九州を目指す人が多く乗っています。つまり、サンライズ出雲もサンライズ瀬戸も岡山から先はガラガラになることが多いのです。
加えて、東京〜岡山の区間についても、「瀬戸」か「出雲」のどちらかなら空きがあるという場合があります(「瀬戸」の方が空きがち)。
そこで、東京からの下り列車で
サンライズ瀬戸に乗りたい時、岡山まで「出雲」で行って、岡山で「瀬戸」に乗り換える
とか
サンライズ出雲に乗りたい時、岡山まで「瀬戸」で行って、岡山で「出雲」に乗り換える
と空席があるという場合があるのです。
重要なのはこの場合、岡山で乗り換える切符を買っても、通しで乗る場合と料金が変わらないということです。みどりの窓口で「ノビノビ座席が満席です」と言われてしまったら、岡山で乗り換えたら空いていませんか?と聞いてみましょう。(この切符はネットでは購入できません…)
さて、なぜこうしたことができるのか、少し難しい規則の話をします、興味ない人は読み飛ばしてください。
あまり知られていませんが、特急の指定席に乗る時、同じ列車の中で途中で座席を移動することができます。さらに、JRの規則では、二つの列車が一部の区間で連結されて走る場合、その二つの列車は同じ列車とみなすことができるのです。加えて、ノビノビ座席は「寝台」ではなく「指定席」として扱われるため、区間ごとに座席を指定するので、途中で空いた席に移動することができるのです(必ず事前に途中で移動する指定券を買ってください)。
※「寝台」は区間ではなく列車ごとに指定します。つまり、誰かが使った後の寝台を使うとはありませんし、終点に着くまで自分が降りた後に誰かがその寝台を使うことはありません。一方、「座席」は、自分が降りた後の区間は空席になりますし、他の人が使うことができます。「寝台」とは乗車に「寝台券」が必要な設備なので、「指定席特急券」だけで乗れるノビノビ座席は制度上は寝台ではありません。
3.キャンセル落ちを狙う

これも古典的なやり方ですが、かなり有効です。特に先に紹介した、途中で移動する方法と組み合わせると、案外取れたりします。
言うまでも無いことですが、JRの切符はキャンセル待ちができません。一方で、サンライズはビジネス利用も多く、キャンセルがよく出ます。そのため、3週間2週間前に満席でも、根気強く空席状況を調べていると直前に空きがでることがしばしばあります。
特に、列車出発日の2日前まではキャンセル料が安いため、2日前にキャンセルが出やすいと言われています。それでも空席が見つからない場合、この写真のように区間の分割と組み合わせて探すと見つかるかもしれません。
※「列車出発日」というところに注意!サンライズは日付をまたぐ列車です
瀬戸の「東京→高松」を根気強く狙っていたところ、前日になってシングルDXで空きが出たということがありました(予算オーバーで買えませんでしたが…)。
キャンセルを探す方法としては、みどりの窓口で問い合わせる以外にも、JR西日本のE5489で検索して探すことができます。また、ノビノビ座席だけは駅の指定席券売機やCyber Station(ログイン不要)でも検索できます。
4.乗りたい設備が取れないときは違う設備を仮押さえ
乗りたい設備の空席はないけど他の設備なら空いているという場合は、その空いている席を借りで取っておいて、キャンセルを狙うという方法をおすすめします。というのも、サンライズの設備は1回だけ、「無手数料」で他の設備に変更することができるからです。また払い戻すときもキャンセル手数料は「列車出発日の2日前まで」は330円と激安だからです。
変更や払い戻しに関するJRの切符の制度について少し補足します(飛ばしても大丈夫です)。
基本的にすべてのJRの切符は、「1回」だけ「同じ種類の切符」に「無手数料」で変更することができます。サンライズの乗車には「乗車券」「特急券」「寝台券」の3種類が必要です(ノビノビ座席では「寝台券」は不要)。そして特急券寝台券は1枚の切符として発券されます。
サンライズの設備が変わる場合、この「特急券寝台券」(ノビノビ座席の場合「指定席特急券」)が変更になります。これらの切符は「指定券類」として扱われるため、1回に限り、サンライズの他の設備だけでなく、日本中のJRのあらゆる「指定券類」に変更できるのです(区間も日付も自由に変えられますが、「自由席」にだけは変更できません)。
多くの場合、寝台列車は「移動の手段」ですから、希望の設備がなかったとしても他の設備で移動することになると思います。しかし、もしキャンセルするという時はどうなるのでしょう。
キャンセル待ちの説明でも少し触れましたが、JRの指定席や寝台の切符は「列車出発日の2日前」までは330円と非常に安く設定されています。前日になると切符の値段の3割になるので注意が必要です。ですが先ほど説明した通り、1回だけ同じ種類の切符に無手数料で変更することができます。なので、1ヶ月以内に他の旅行で指定席を使うという場合は、そちらに変更してしまうこともできます。JRのどの区間でも変更できますし、寝台券であっても特急や新幹線の指定席特急券に変えることができます(自由席には変えられません!)。
※ちなみに、指定の日の前日に、1週間後の切符に変更して、キャンセル料を安くするということはできません。変更後の切符に「二日以内に変更」のスタンプが押されてしまい手数料3割での払い戻しとなります。
5.ツアー商品で買う
サンライズは、昨今の寝台列車ブームもあり、唯一の寝台列車ということもあり、頻繁に旅行ツアーが組まれます。そのため、サンライズだけが目当てなら、割高ですがツアーに参加することで確実に乗ることができます。
様々な旅行会社がプランを組んでいるので「サンライズ ツアー」などで検索すれば見つけることがでるでしょう(私はやったことがないので詳しいことはわかりません…)。
記事のまとめ
寝台列車には夜行バスにも在来線特急にもない独特の風情があります。
バリエーションに富んだ快適な設備を揃え、夜は都市部の街明かりの中を快走し、明るくなると大自然の伯備線を駆け抜けたり、瀬戸大橋で海を越えるサンライズは、寝台列車の醍醐味を凝縮した文字通り唯一無二の存在です。
この記事では、最近切符が取りづらくなった(気がする)サンライズの裏技的な取り方を説明してきました。まずは10時打ち、だめならキャンセル待ち、それでもダメなら区間を分けてノビノビ座席で仮押さえといった具合に、ステップを踏んでいろいろな方法を試してみてください。