仕事力

心に響く自己啓発

「神様の定食屋」を読んで

書名:神様の定食屋

著者:中村颯希(なかむら さつき)

出版社:双葉社双葉文庫

出版年:2017年

 

神様と会話する。霊が主人公に乗り移る。一見、不気味な感じがする。読み進めると、心が温まり、お腹が空く物語なのだ。

定食屋(屋号は「てしおや」)を営んでいた両親が、事故で二人して亡くなった。店の跡を継いだのは、息子である青年(主人公)と妹だ。妹は定食屋の経験があるが、主人公はサラリーマンだったので、飲食店の知識・技能・経験はまったくなし。

困った主人公は、近所の神社にお参りし偶然神様からお声がかかった。この世に未練を残す霊が一人ずつ主人公に乗り移る。主人公の身体を使って、霊が美味しい料理を作る。生きている時にもっとコミュニケーションをとっておきたかった相手にその料理を食べてもらい、霊が未練を晴らしていく形で物語が展開する。

物語の章題を見ると、登場する料理がわかる。

 一皿目 チキン南蛮

 二皿目 天たまかけご飯

 三皿目 具だくさん豚汁

 四皿目 フレンチ風オムライス

 五皿目 「てしおや」名物・唐揚げ

 おかわり ほくほくおでん

どれも定食屋らしい料理だ。

主人公は、霊から直接、料理の仕方を教えてもらった。美味しそうなご飯の描写が素晴らしく、お腹が空く。

また、料理に込めた霊の想いや未練を残す相手との絆から、主人公はおもてなしの心も学んだ。

こうして主人公と妹は成長し、立派に定食屋を経営していく。最終章は1月4日の話だ。物語の多くの伏線が最終章で回収され、ハッピーエンドとなる。

料理を通して家族愛や人間の絆が描かれた物語である。気持ちがほっこりした。