父の認知症を疑う⑫ 最終話
前回、診断書提出命令が出た話から約一か月後
聴聞の手続きに関する知らせが届いたとのことだが(免許停止について審議していますが異論があれば弁明の機会を与えますよということみたい)
今週末には車を引き取りに来てもらって手放す手続きを父自らが行っていた。
゚д゚)ポカーン …( ⊃д⊂)ゴシゴシ …(*゚д゚)エッ?!
免許停止にならない限り、絶対に免許は手放さないだろうと皆が確信していた。
どういう風の吹き回し?
もしかしたら父の友人たちが車を手放すことを助言してくれたのだろうか?
昔から家族より友達のほうが大事だ!って暴言吐いてたからな。友人が助言したなら素直に聞く人間性ではある。
むしろ最初からそっちを頼ったほうが早かったか?(笑)
どういう心境の変化があったかは分からないけど、本人の気が変わらないうちに聴聞は欠席にする手続きをとることにした。
一応、本人の了承は得ないとならないので、認知症云々はとりあえず置いといて
弟が「これまで心筋梗塞を3回もやって、たまたま3回とも自宅で倒れたからよかったものの、次に運転中に心筋梗塞や不整脈が起こったら大変なことになるから、いい機会だし、このまま免許は手放そう」とプライドを傷つけない感じに話すからと言っていたが、優しいな。
私ならズバッと言ってしまいそうだよ。
たぶんこのままいけば、無事に免許失効になるであろう。
母の体調も少しずつ戻り、最近は週に何日か迎えに来てもらい仕事に出ているみたい。
転倒が怖いので働くのは夏の間だけかもしれないが、家の中でずっと父と顔を合わせてストレスを溜め続けるよりはいいのかもしれない。
車がなくなった後の生活は課題が残るが、それはまた話し合って解決していければと思っている。
父の認知症を疑う⑪
父に認知症が判明し免許証を取り上げることを進言したけど、母と弟の意思を尊重し見守ることになっていた。
春になり、そろそろ免許更新の通知が来る頃ではと弟に連絡を取ったところ、
親が住む地域管轄の運転免許試験場から「診断書提出命令」みたいな書類が届いていたらしく、
父が自ら病院へ出向いて診断書をもらってきていた。
弟曰く、昔から文書をよく読まない人間だから、診断書をもらってこいという文面だけ見てもらってきたんじゃないかとのことで、まぁ確かに(笑)
以前、運転免許試験場に相談した後は私は何もしていなかったのだけど、もしかしたらあの時相談に乗ってくださった方が気を利かせたか、しびれを切らしたかは分からないけど、書類を回してくれたのかもしれない。
どっちにしろ、他力本願だが免許停止にうまく持っていけそうで良かった。
ちょうど少し前に弟が仕事で父の友人と顔を合わせる機会があり、「親父に免許返納させろ。運転が危なすぎるわ!」と注意されたらしく、そろそろやめさせないとヤバいなと弟にとっても危機感が高まっていたみたい。
弟が診断書を回収し、書類を関係機関に送ってくれるとのことだった。
父の認知症を疑う⑩
父から免許証を取り上げるための手続きは何とか進みそうだ。
でも、ここへきて、一時は免許返納させることに同意していたはずの弟2号と母が難色を示し始める。
・やっぱり通院や買い物に困る(弟2号がいつでも来れるわけでないから)
・免許を取り上げることで母に八つ当たりされたら困る
・ただでさえ動かないのに車を取り上げたら認知症がさらに早く進むのではないか
・母の健康状態は万全とはいえないので一人で出かけてまた転倒しないか心配
・生協の宅配システムが母に使いこなせるのかどうか(注文したものを忘れそう)
車必須の田舎に住む親を持つ人間なら当たり前に悩むことである。
でも、それ言ってたら何も進まないんだよ。
私も正直放ったらかしにしたいけどさ。
高齢者が事故って、その賠償を家族が負うことになったケースをニュース番組かなんかで見た。
私は父の尻拭いなんかしたくない。
それ以前に万が一の時、私たちにそんなお金払える余裕などないでしょうに。
町内の乗り合いタクシーは郊外が対象で、どうやら実家の辺りは市街地扱いらしくて範囲外だった。
ここいらも町立病院や駅までは歩いて30分もかかるようなとこなんだけど。
民間のタクシーで利用できるような補助もなし。
そりゃ、皆んな免許を手放したりなぞしませんな!
町内の循環バスを利用するしかない。
正直あまり便数が多いとはいえないけど、でも実家のすぐそばまで来るから、弟が来られない時に町内での移動ぐらいは自分でできるようになってほしいし、
実家の辺りはネットスーパーの範囲外なので生協ぐらいしか利用できるものがないけど、少しでも使えるようになれたら違うかなと思う。
母の友人も生協の宅配システムを利用しているし、母はスマホやタブレットが使えてるぐらいだから、生協の注文ぐらい何とかできそうな気もするけどな。
ネット注文以外にマークシート記入でも注文ができる。
でも、それも誰かが面倒見なきゃならないのか?
母は怪我で入院するまではパートも行ってはいたけど(父の送迎だが)
以前から手の調子が悪かったのもあって退院後は休職してしまい、その不安もあってか、なお一層弟2号に頼りきりになってしまっている気がする。
弟も母が心配なのでどうしたもんかと、二人して考えが堂々巡りになっているようだ。
こんな状態で無理やり手続きを進めてもしょうがないので、とりあえずどうしたいか考えてみてって言ったけど、どうなることやら。
私は実家にとって余計なことをしているんだろうか。
父の認知症を疑う⑨
母からSMSが届いた。
昨日の診察で運転しないようにと医師から言われたのだが、そんなことはお構いなしに父は今朝から車でいそいそと出かけたようだ。
……でしょうねっ。
車のキーも免許証も取り上げるのに失敗したので、こうなるのは分かっていたけど。
やっぱり免許取り消しにしてもらおう。
来年の免許更新は間違いなく引っかかるだろうから、放置してもいずれ運転はできなくなると思うけど、その間に事故られても困る。
そういえば公安委員会ってどこ?
ググってみたら『安全運転相談窓口(#8080)』というのが出てきたので、とりあえず電話してみた。
掛けた人間が住んでいる地域の窓口(運転免許試験場とか)に繋がるシステムになってるみたいでどうしようかと思ったけど、別の地域に住んでいる家族のことでも聞いてくれるという。
例の書類は本人の承諾がないと公安委員会では受け取れないので、まずはお父さんから了承を得てくださいと言われた。
そんなことに応じるなら初めから返納させることに苦労しないのよ!
でも、とりあえず書類は送ってもらうことにした。
しばらくして先ほど応対してくれた方から折り返し電話がきた。
よほど私の声に悲壮感でも漂っていたのだろうか。
こちらからお父さんに電話して自主返納についてお話してみましょうかと仰る。
なんと!神の助けが!
だが父に電話してもらった結果、やぱり自主返納には応じないと。
認知症の診断をもらいましたよね?運転は控えるように言われましたよね?と聞いてくれたみたいだが、受診したこと自体すでに忘れてたみたい。
昨日の今日ですぜ、旦那!
自分に都合の悪いことはすぐ忘れんだよな~。
家族が公安委員会に書類を送ることは構わないと応じたそう。
本人もよく分かってないのかも?でも実質的に承諾が取れたからまぁいいか(笑)
父の認知症を疑う⑧
父は病院に着くまで自分の受診日だとは欠片も認識していなかった。
予約票を見せてようやく理解する始末。
日時の感覚が著しく衰えている。
MRI画像などを見せてもらいながら検査の結果を聞いたけど、今のところアルツハイマー型らしき所見はなく、脳血管型認知症との診断だった。
車の運転も一応できるし自分でできることも多いから程度としては軽度。
意欲を高める薬とか興奮を抑える薬は血管型にも適応する場合があるみたいだけど、今の父の状態には向かなさそうなので投薬は見送った。
一年後にまた再検査とした。
「認知症であることには変わらないので、車の運転は控えるようにしてくださいね」って先生が言ったけど、父は車に乗れないと困るべやって聞く耳持たず。
医師としては運転を禁止する強制力は持っていないので家族で免許返納を話し合ってくださいと。
ただ、所定の書類をもらってきてくれれば診断書を書くので、それを公安委員会に提出すれば免許停止や免許取り消しの審議をしてもらう手続きができると教えてくれた。
それがダメなら、医師から公安委員会に通報するという手もあるみたいだけど、先生はあまりそれはしたくなさそうであった。
父の認知症を疑う⑦
翌日いよいよ、父の検査結果が出る。
今回は前回とは別のルートで帰省してみることにして、特急列車1本と鈍行列車2本の乗り継ぎ。
昔はもう少し選択肢があったけど廃線が相次ぎ、移動時間的に特急2本と鈍行1本を乗り継ぐ前回のルートか、今回のルートしかない。
今回のルートは地図の上で見る分には特急2本の乗り継ぎよりも距離は短縮できているはず。
しかし、料金が3千円ほど安くなっただけで7時間コースなのは同じだった(笑)
同じ時間かかるなら特急2本乗ったほうが快適だったな~。
特急列車はリゾート型スキー場から帰る外国人客で混み合っていた。
台湾の人たちは旅慣れているのか静かで落ち着いているのが良い。
実家の町へ降り立ったら、そこは大雪だった。
日曜日だったので除雪が入っていない。
車社会の田舎、歩く人もいないので歩道が完全に雪で埋まっており、膝までの雪を掻き分けながら、えっちらおっちら歩いていったが、実家まで30分の道のりのはずが50分近くもかかってしまった。
途中で吹雪いてくるし、こんな小さな町なのに遭難するかと思った。
バスがあればもうちょっと実家の近くまで行けるはずだったけど、知らぬ間に廃線になっていた。
タクシー呼べばよかったかなぁ。
バスの本数が減る。仕方ないから車に乗る人が増える。バスに乗る人が減るから更に本数が減る。
卵が先か鶏が先か分からないけど負の悪循環だ。
父の認知症を疑う⑥
父は私たちにとって毒親でしかない。
昔から傍若無人に振る舞い、母にモラハラ、子供にはパワハラ、時には暴力も振るってくる人間だった。
私たち上の3人とは歳の離れた弟2号は、辛うじて父から暴力を受けていないのが幸いだ。
正直、父親に向き合うのは昔を思い出し、しんどい。
歳を食って弱くはなっただろうが人格だけは変わらない。
もういっそ誰かに丸投げしたい。
実家を放置してもいいけど、弟1号と妹は事情により戦力にはならない。
そうなると弟2号にこれまで以上の負担がいきそうなので、それは避けたいと思う。
現状でも何かあれば母はすぐ弟2号を頼る。
母の怪我の連絡がくるまで実家のことなんて大して考えずにきたくせに、弟からしたら私も大概だよなぁ。
もっと早くに介入するべきだったかもしれないけど。