※注意書き(必読)
本記事では、アニメ映画『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』の内容に触れています。
作中には、戦闘による負傷描写や流血、身体の欠損など、かなり生々しい表現があります。
そういった描写が苦手な方は、ここから先の閲覧は控えてください。
アニメ映画『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』感想
かわいい絵柄に油断すると、本当に心をえぐられる
正直に言うと、この映画は「軽く観よ」って気持ちで見てはいけない。でも必ずみんなにも見てほしい。
アニメ映画だし、キャラも丸っこくて、どこか優しそうな雰囲気。
でも中身は、かなり重たい。
『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』は、太平洋戦争末期のペリリュー島を舞台にした作品。
南の島のきれいな景色と、のんびりした空気。
最初はほんまに「ここで戦争起きるん?」って思うくらい穏やかや。
でも、その空気は一瞬で壊れる。
楽園が一気に地獄に変わる
アメリカ軍が上陸してからは、ずっと息苦しい。
爆発音、銃声、叫び声。
兵士たちは準備も覚悟も足りないまま、いきなり“死ぬ側”に立たされる。
この映画、戦闘シーンをかっこよく描かへん。
誰かが敵を倒しても、達成感はゼロ。
状況は何も変わらんし、ただ次の犠牲者が出るだけ。
特にしんどかったのが、仲良かった兵士が目の横を撃たれて、眼球が飛び出してしまう場面。それを仲間が、おっとっと。みたいな感じで、手で元に戻す。普通に生きていてこんな経験は普通しない。しかしそんなことも普通。普通の感覚さえも麻痺していく。それが戦争。アニメなのに目を逸らしたくなった。
でも、この映画はそういうとこを誤魔化さへん。
死に方を選べないのが戦争
『ペリリュー』には、いわゆるヒーローはおらん。
活躍したから助かる、感動的な最期を迎える、そんな展開はほぼない。
さっきまで喋ってた仲間が、次の瞬間にはもう死んでる。
しかも、それに意味づけはされへん。
戦争では、死ぬ理由なんて後付けや。
命令は無茶苦茶やし、補給も来ない。撤退もできない。
それでも「守れ」と言われた場所で、兵士たちは『消費』されていく。
戦ってるのに、何のために戦ってるのか分からんくなっていく感じ。
その虚しさが、ずっと画面から伝わってくる。
かわいい絵柄が、逆にキツい
この映画の一番エグいところは、たぶんここやと思う。
キャラデザインが、めちゃくちゃ可愛い。2頭身で、丸くて、愛嬌もある。
そんなキャラが、撃たれて、吹き飛ばされて、手足を失っていく。
リアルな作画やったらまだ「映画」として見れたかもしれん。
アニメやから大丈夫、っていう逃げ道を完全に潰してくる。僕は本来グロ系はかなり苦手。医療ドラマでの治療目的で映る内臓とかは平気だけど、痛々しいのはマジでダメ。でもこの映画のグロいシーンは見なければいけないと思った。遠い過去ではない本当にあった話だったから。終戦したのが僕の母がちょうど生まれたあたりだったことに衝撃を覚えた。
この映画は、「戦争は悪です」って言わへん。
感動させようともしてこない。
ただ、そこにあった出来事を淡々と見せてくるだけ。
だからこそ、観終わったあとがしんどい。
これは昔の話だけど、今も世界のどこかで、同じ構造のことが起きてると思うと、簡単には切り離されへん。
誰かが安全な場所で命令して、
誰かが前線に送られて、
名前も残らんまま死んでいく。
観るのは正直しんどい。でも…
『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』は、
観て楽しい映画でも、スカッとする映画でもない。
むしろ、観終わったあとに気分は重くなる。
「もう一回観たいか?」って聞かれたら、たぶん即答はできへん。
それでも、今の時代に一回は観とくべき映画やと思った。
戦争を“知識”や“歴史”としてじゃなく、
「人が壊れていく過程」として突きつけてくるから。
『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』は、
楽園と呼ばれた島で起きた地獄を、
最後まで誤魔化さず描いた、かなり覚悟のある作品やった。
是非目をそらさずに、心のままでこの事実を感じてほしい。そして二度とこんなに辛く悲しいことが起きませんように。。。
ストーリー ★★★★★
(この話も実話にもとづいてる。見ないといけない)
キャラクター ★★★★★
(見た目かわいいが、かなりグロい)
泣ける度 ★★★★★
(ずーっと泣いていた。)
おすすめ度 ★★★★★
(心が張り裂ける)
総評 ★★★★★
(戦争映画はいっぱいあるけど、こういう感じは珍しいかもしれない)
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