[今日の絵] 1月前半

1 Bouguereau : L'amour mouillé 1891
新年おめでとうございます。今日からは<天使>の絵、まずはギリシア神話から。ブグロー1825-1905の「濡れたキューピッド」、通り雨に降られたのだろう、少女のような少年が美しい

2 Anton Raphael Mengs : Hesperos1765
「Hesperos」は「宵の明星」の意味で、ギリシア神話では少年の姿で描かれる、中空に浮いているようにとどまる体勢が美しい。メングス1728-79はチェコの画家

3 Robert Lefévre : L’amour aiguisant ses flèches 1798
「矢尻を研ぐキューピッド」、弓から放った矢で恋を成就させる天使、今、恋を準備しているわけで、嬉しそうな表情、ルフェーブル1755-1830はフランスの画家、ダヴィッドの影響が強い

4 Parmigianino : 弓を削るキューピッド1530
お尻の大きなキューピッドで、何かユーモラスな雰囲気。矢を研ぐのではなく木の枝から弓を作っている、真剣な表情なのが面白い。パルミジャニーノ1503-40はイタリアの画家

5 Caravaggio : エジプト逃避途上の休息[部分] 1590
聖ヨセフに「エジプトに逃げよ」と天使が指示した(「マタイ伝」)。楽譜をもつヨセフに天使がヴァイオリンを弾いている、天使の後ろ姿はセクシーだ。カラヴァッジョ1571-1610はイタリアの画家

6 Francois Gerard : プシュケとキューピッド1798
美しい王女プシュケに嫉妬したヴィーナスは、プシュケが卑しい男に惚れるようにキューピッドを差し向けたが、彼は誤って恋の矢で自分の指を傷つけたので、プシュケに恋してしまった。それにしてもキューピッドは美しい。ジェラール1770-1837はフランスの画家で、ダヴィッドの弟子

7 Annie Swynnerton : キューピッドとプシュケ 1890
このキューピッドは、仕草も表情も、神というより普通の人間の青年のそれだ、プシュケは人間の王女だが、ヴィーナスが嫉妬するほど美しいとも思えない。スウィナートン1844-1933は英国の女性画家

8 David : キューピッドとプシュケ 1817
「ベッドから起きようとしている」のは、なんだか天使らしくない体勢だ、プシュケちゃんをナンパしちゃった?キューピッドはやんちゃな青年、求愛なのか事後なのかもよく分らない。ダヴィッド1748-1825はフランス新古典主義の画家

9 フランシスコ・デ・スルバラン : 大天使ガブリエル 1631
今日からキリスト教の天使たち、まずは位格トップの大天使「ガブリエルちゃん」、少女のように美しいが、少年か、『フィガロの結婚』の「ケルビーノ[=天使ちゃん]」は美少年でメゾソプラノが歌うが、何か似ている。スルバラン1598-1664はスペインのバロック期の画家

10 ヤン・ファン・エイク:大天使ガブリエル 1435
「受胎告知」の絵に登場する「大天使ガブリエル」、くっきりとした顔立ち、「天使」なのだろうが、まるで現実の人間のように生き生きとした姿で描かれている

11 ファン・ルイス・ザンブラノ :大天使ガブリエル1625
明らかに男性で、強そうな「大天使ガブリエル」、聡明な顔だが優しい感じでもない。ザンブラノ1598-1639はスペインの画家

音楽を演奏する天使もたくさん描かれた、音楽美=調和も天使にふさわしい。フォルリ1438-94はイタリアの画家で、短縮遠近法に最初に成功した

『創世記』によれば、天使がヤコブに襲いかかり、二人は一晩中格闘した。不思議な話だが、画家の絵心を刺激した主題らしい。この絵では、戦いの後に二人は和解しているようだ。

14 オディロン・ルドン: 堕天使1880
「堕天使」とは、天使でありながら神に反逆したために罰せられて天国を追放された元天使、この絵では普通の男性の顔だ。ルドン1840-1916はフランスの画家、「一つ目怪獣」など変った画が多い

15 ヒューゴ・シンベリ : 傷ついた天使1903
<天使>の絵は、それが描かれた時代を何らかの意味で反映している。これは「戦傷」を象徴しているのか。シンベリ1873-1917はフィンランドの画家で、陰鬱な画をたくさん描いた

16 クレー : 忘れっぽい天使 1939
描かれた1939年にはすでに第二次大戦が始まっている。たったこれだけの僅かな線で、天使の悲しみが、これ以上ないほど見事に表現されている










