
はじめに
2010年から2019年まで販売された日産ジュークは、奇抜なデザインとコンパクトSUVという新しいスタイルで大きな話題を呼んだモデルです。
丸型のヘッドライトと上下別体のウィンカーを組み合わせた独創的なフロントフェイス、リアドアのドアノブをウィンドウ横に配置したスポーティなサイドビュー、さらにはフェアレディZを思わせるブーメラン型のテールランプなど、他車にはない個性的なデザインが特徴です。
内装もバイクのタンクをイメージしたセンターコンソールを採用するなど、遊び心のある作り込みがされていました。エンジンラインナップは1.5L自然吸気を中心に、スポーツ志向の1.6Lターボモデルでは190馬力を発揮。さらに4WDモデルにはインテリジェント4×4が搭載され、センサーによるトルク配分制御で安定したコーナリング性能を実現しました。
空前のSUVブームの中で、ジュークは奇抜さを武器に9年間もの長期販売を達成し、日産を代表するコンパクトSUVのひとつとなりました。2020年には後継車としてキックスが登場し、その役割を引き継いでいます。
しかし、中古車市場でジュークを検討するにあたって気になるのが「故障の傾向」です。ここでは、実際に報告が多い弱点や注意点を詳しく見ていきましょう。
目次
日産ジュークの弱点と故障傾向
弱点① エアコンの不具合
ジュークで特に多いトラブルのひとつがエアコンです。
「冷えが弱い」と感じるケースが多く、原因は以下のように複数あります。
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コンプレッサーの不具合:定番の故障ポイント。
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サーミスターの故障:ジューク特有のトラブルで、温度調整を行うセンサーが壊れるケースが多い。部品代は安価ですが、交換には内装をほぼ全分解する必要があり、工賃が高額になるのがネックです。
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コンデンサーの故障:経年で破損や詰まりが発生しやすく、冷却性能が落ちることも。
エアコン修理は軽症なら数万円で済みますが、サーミスター交換などでは10万円以上かかることもあるため注意が必要です。
弱点② エンジン不調
走行不能になるほどのトラブルは少ないものの、ジュークでは以下のような不具合が見られます。
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吹け上がりが悪くなる
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アイドリング時の振動が大きくなる
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エンジン警告灯が点灯する
原因としては、イグニッションコイルの故障、スパークプラグの摩耗、ウォーターポンプの異音などが挙げられます。警告灯が点いた場合はすぐに整備工場で診断を受けるのが賢明です。
弱点③ ラジエーター関連のトラブル
ジュークで比較的多いのがラジエーターからの水漏れです。
交換にはフロントバンパーやヘッドライトの取り外しが必要で、工賃が高額になりやすいのが難点です。
さらに、電動ラジエーターファンのモーター故障も頻発。異音が発生したり完全停止することもあり、エアコンの効きが悪化したりオーバーヒートの原因になるため、放置は禁物です。
弱点④ CVT(無段変速機)の故障
ジュークはCVTを採用していますが、ここも故障報告が目立つ部分です。
軽度であればバルブボディ交換で対応できますが、症状が進行するとCVT全体を交換しなければならず、修理費用が数十万円に達することもあります。特に過走行車を選ぶ際は注意が必要です。
弱点⑤ オルタネーターの故障
オルタネーターが故障するとバッテリーへの充電が行われなくなり、走行中でもバッテリーが上がってしまうことがあります。
そのほか、エアコンが突然止まるなど電装系トラブルを引き起こす場合もあるため、異常を感じたら早めに点検を依頼しましょう。
経年劣化による定番の故障
ジュークも販売から時間が経過しているため、年式や走行距離に応じた劣化は避けられません。代表的なものは以下です。
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エアコンの効きの低下
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サスペンションブッシュやドライブシャフトブーツの劣化 → グリス漏れ
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ショックアブソーバーの抜け
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スパークプラグの摩耗
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ハブベアリングの異音
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ラジエーターからの水漏れ
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各種センサー類の故障(O2センサー、ABSセンサーなど)
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トランクダンパーの抜け → ハッチが勝手に落ちる
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パワーウィンドウの故障
これらはジュークに限らず10年以上経過した車では一般的な症状ですが、購入時には修理済みかどうかを確認しておくと安心です。
ジュークの故障に備えるには
ジュークは海外製の補器類を多く採用しており、部品耐久性に不安が残る点もあります。
そのため、定期点検を欠かさず受けることが非常に重要です。特に電装系やCVT関連は、早期発見であれば軽い修理で済むこともあります。
また、購入後は「突発的な修理費用がかかる可能性」を想定して、ある程度のメンテナンス費用を確保しておくと安心です。
中古の日産ジュークを購入する前に確認したいこと
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点検整備記録簿があるか確認する
メンテナンス履歴が残っている車は安心度が高いです。 -
修復歴のある車体は避ける
特に前周りに修復歴がある場合、ラジエーターや冷却系統に影響が出やすいです。 -
安すぎる車体には注意
初期型は50万円前後から購入可能ですが、極端に安い個体は要注意。隠れた不具合や高額修理を抱えているケースもあります。 -
過度なカスタム車は避ける
ターボモデルを中心に、過剰な改造が施された車両はトラブルのリスクが高まります。
画像出典:"Nissan Juke – Heckansicht, 13. September 2012, Velbert" by M 93 is licensed under CC BY-SA 3.0.
まとめ
日産ジュークは2010年から2019年まで販売され、奇抜なデザインとコンパクトSUVという立ち位置で人気を集めたモデルです。
一方で、エアコンやラジエーター、CVTなどに故障報告が多く、中古車を選ぶ際には注意が必要です。
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初期モデル(2010~2012年)は未成熟な部分もあり、故障の懸念がやや高い
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2015年以降のモデルは改良が進み、オーナーレビューの満足度も高い
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中古価格は幅広く、手頃なSUVとして魅力的な一台
適切なメンテナンス履歴を持ち、状態の良い個体を選べば、中古市場で非常にコストパフォーマンスの高い車といえるでしょう。
